日経平均株価は前営業日比109円81銭高の3万0358円62銭、東証株価指数(TOPIX)は7.67ポイント高の2098.42と、ともに小幅高で午前の取引を終えた。
政府が新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言を全面解除する方針と伝えられたことで、経済活動再開への期待から飲食、小売り、観光関連の銘柄が買われた。
前週末に日経平均が急騰した反動で利益確定売り圧力は意識されたものの、下値では押し目買いニーズが強く、前場後半から次第に下値を切り上げる強調展開となった。
前週末の米国株市場では主要株指数が高安まちまちで買い手掛かり材料難も、国内では緊急事態宣言の解除に伴う経済正常化を先取りしてアフターコロナ関連株に買いが集まり、全体相場に浮揚力を与えている。
外国為替市場で前週末に比べて円安・ドル高が進んだことで、輸出関連株には追い風となった。
ただ、今週29日に投開票が行われる自民党総裁選の結果を見極めたいとの思惑から上値も重く、上げ幅は100円あまりにとどまっている。
コロナ禍で買われた巣ごもり関連や医療関連の銘柄の一部には売りが出て、上値を抑えた。前週末に日本株が急騰したため、利益確定の売りも出やすかった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6226億円、売買高は6億7145万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は966と、全体の4割強にとどまった。値下がりは1126、変わらずは95銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、空運業、陸運業などが上昇。下落は海運業、機械、倉庫・運輸関連業など。
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)・ソニーG、任天堂、日立製作所なども買われた。トヨタ自動車も買いが優勢。米長期金利の上昇を背景に三菱UFJなど銀行株も高い。高い。東邦システムサイエンスが一時ストップ高に買われたほか、井筒屋、長野計器も値を飛ばした。
半面、売買代金トップの日本郵船をはじめ大手海運株が軟調、レーザーテックも利益確定売りに押された。キーエンスが安く、OKKは急落、サインポスト、神戸物産も下落した。レノバも大幅安となった。
東証2部株価指数は前週末比42.25ポイント高の7842.71ポイントと続伸した。
出来高は6976万株。値上がり銘柄数は283、値下がり銘柄数は113となった。
個別では、ニッチツがストップ高。コメ兵ホールディングス、アヲハタ、オーベクス、伊勢化学工業、川口化学工業など22銘柄は年初来高値を更新。さいか屋、鉄人化計画、Jトラスト、キョウデン、玉井商船が買われた。
一方、ミライノベートが年初来安値を更新。ダイトーケミックス、杉村倉庫、神島化学工業、TONE、オリエンタルチエン工業が売られた。
