続伸 一時3万8000円上回る、米株高で

 
24日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前週末に比べ251円07銭(0.67%)高の3万7974円98銭だった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新したことを受け、東京株式市場でもリスク許容度が高まった投資家による買いが優勢となった。
朝方は半導体関連などを中心に大きく買いが先行したが、その後は目先筋の利益確定売りなどが表面化し伸び悩む展開となった。日経平均は取引時間中として9月4日以来約3週間ぶりに3万8000円台を寄り付きで回復したものの前引け時点では3万7900円台まで押し戻されている。
 
23日の米株式市場では、米連邦準備理事会(FRB)の利下げによって米経済が軟着陸(ソフトランディング)に向かうとの観測が引き続き株買いを誘った。20日の植田和男日銀総裁の記者会見での発言を受けて早期の追加利上げ観測が後退し、円売り・ドル買いが一時優勢となった。円の上昇圧力が和らいだとの見方から、マツダや村田製などの輸出関連株への買いが日経平均を押し上げた。
 
ただ、前週末までの3営業日で約1500円上昇していたこともあり、短期的な過熱を警戒した利益確定目的の売りが上値を抑えた。東エレクなど値がさ半導体関連株の一角が下げに転じ、日経平均は前引けにかけて伸び悩んだ。
 
為替は1ドル143円台半ばで推移しており、20日の植田和男日銀総裁の記者会見以降の円安ドル高は一服している。ドルインデックスは100.5水準と年初来安値圏での推移は変わらず。FRBの方針が明確となり長期的な日米金利差の縮小傾向が改めて確認されたことから、為替は緩やかに円高ドル安に進むだろう。
 
後場の為替市場は、じりじりとした円高ドル安が進む可能性もあることから、日経平均は上げ幅をより縮小するかもしれない。本日を含めて4連騰していることから、いったんは利益確定の流れが強まると考える。

 


 
東証株価指数(TOPIX)も続伸した。前引けは15.09ポイント(0.57%)高の2657.44だった。JPXプライム150指数も続伸し、9.30ポイント(0.78%)高の1195.22で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1728億円、売買高は8億7016万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は939。値下がりは646、横ばいは58だった。
業種別では、精密機器、電気・ガス業、水産・農林業、不動産業、海運業などが上昇した一方、空運業、陸運業、サービス業、医薬品、銀行業などが下落した。
 
個別では三菱重工業が高く、日本製鋼所、IHIが上昇。鉄道インフラ保守にエヌビディアのAI技術を活用と発表した日立製作所も上昇。ソフトバンクグループも高い。アクシージアが値上がり率トップ、日本製鋼所、フィックスターズも大幅高。また、ソニーグループが証券会社のポジティブなレポートを材料に買われた。このほか、三越伊勢丹HD、TDK、オムロン、フジクラなどが買われた。
 
半面、売買代金トップのレーザーテックが朝高後に軟化、ディスコ、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクスト、スクリーンHD、東京エレクトロンなど半導体株が総じて軟調推移。抗がん剤候補の治験結果が嫌気された第一三共も売られた。島精機製作所が急落、神戸物産なども下落した。レゾナックHD、ニトリHD、エーザイなどが売られた。

 

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