[概況]
8日の外国為替市場は、トランプ政権の政治リスクの高まりによって、米ドル円が下落した。詳しくは、これまで政権内の国境管理を担ってきたニールセン国土安全保障長官の辞任を、トランプ米大統領がツイッターで発表したことだ。
辞任の理由ははっきりしないが、トランプ大統領はメキシコからの不法移民対策を巡って同氏に度々不満を表明していたため、移民や国境警備を巡る確執が原因ではないかと思われる。
本日の米ドル円は、このトランプ政権の人事を巡る混乱を嫌気し、安値を11.340円まで伸ばした。とはいうものの、米ドル円の売りは米中貿易協議の期待が高まる中では長続きせず、欧州時間序盤では本日の安値から10銭近く買い戻された水準まで戻している。
さて、この後の外国為替市場では、英国のEU離脱関連の報道に注意が必要だ。なぜなら、本日より離脱案を議会で承認するためのメイ首相と野党・労働党の協議が再開されるからで、協議が決裂に終われば、外国為替市場はリスク回避の流れが強まりそうだ。
[提供:カネツFX証券株式会社]
