[概況]
28日、欧米時間の外国為替市場において、米ドル円は111円台半ばを中心に取引されるなど、買い優勢の流れが継続した。ドルの下支え材料となったのはこの日も米債券利回りの上昇で、10年債利回りは一時1.56%台となる場面がみられた。市場のインフレ懸念が広がをみせ、FRBが緩和スタンスの出口戦略に向けて予想以上に積極的に動くのでは、との見方が強まっているようだ。
市場では、米国の足元のインフレ高進についてはこれまで、パウエルFRB議長の「一時的」との認識になぞらえて過小評価している傾向にあったとみられるが、先週のFOMCにおけるテーパリング年内開始や利上げ開始時期の予想前倒しなどの議論を受けて、インフレ上昇が長引くリスクについてあらためて意識する動きが目立ち始めている模様。米ドル円は一時、7/2につけた年初来高値(111.670円)に迫る111.650円をつける場面がみられた。
テクニカル面で米ドル円は、実線が一目均衡表の雲上限を上抜け地合いの良化が顕著な展開に。ただ、109円台前半の水準からこの日までで5日続伸と、急ピッチの上げとなっている点には留意が必要だ。
[提供:AIゴールド証券株式会社]
