神経質な展開か

 
日経平均は4日ぶりに反発。後場にプラス転換したが、値上がり銘柄数からすれば、前場の下げがいびつであったと言える。終値(3万8807円)では25日線(3万8714円、14日時点、以下同じ)を上回った。その一方で、5日線(3万8962円)を超えられない状態が続いており、この2つの線が接近している。早晩大きな動き(5日線を明確に突破すれば上、25日線を明確に割り込めば下)が出てくる可能性があり、タイミング的に日銀金融政策決定会合やFOMCがボラティリティを高めるイベントになりそうだ。
 
あす15日に開示される連合の賃上げに関する第1次集計の内容にもよるが、前日発表された春闘の主要企業による一斉回答を見る限りはデフレ脱却を強く認識させるもので、日銀はマイナス金利解除を前倒し的に決めるという点については大方織り込まれている。加えて、「YCCの撤廃とETF買い入れ停止も同時に発表される可能性は十分にある」というが、この2つについては既に形骸化している部分もあり、マーケット側から見れば今さら感も拭えない。実際、ETF買いについては週明け11日に東京株式市場が波乱安の展開に見舞われた際、前引け時点でTOPIXが2%超下落していたのにも関わらず日銀は動かなかった。そこで地ならしは行われているという解釈である。
 
 一方、“想定外のネガティブシナリオ”としては、会合後の記者会見で植田日銀総裁がマイナス金利解除後の金融政策について、間を置かずに利上げを示唆する場合だろう。
 
普通に考えれば、ゼロ金利状態を放置することも今の環境では妥当性に乏しいことに変わりはない。ただし、これについては「99%の確率で利上げのタイミングを植田総裁が匂わすようなことはない」という見方が支配的だ。しばらくゼロ金利のモラトリアムが続くと分かれば、東京株式市場に海外マネーが再び流れ込む可能性は高いだろう。
 
今週は週初に大きく崩れた後は踏みとどまっているだけに、25日線より上で週を終えることができるかに注目したい。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(14日現在)
 
42818.76  ボリンジャー:+3σ(26週)
41766.32  ボリンジャー:+3σ(25日)
41270.14  ボリンジャー:+2σ(13週)
40748.92  ボリンジャー:+2σ(25日)
40040.85  ボリンジャー:+2σ(26週)
39910.82  新値三本足陽転値
39731.52  ボリンジャー:+1σ(25日)
39371.75  均衡表転換線(日足)
39068.17  6日移動平均線
38956.25  ボリンジャー:+1σ(13週)
 
38807.38  ★日経平均株価14日終値
 
38714.11  25日移動平均線
38163.37  均衡表基準線(日足)
37921.68  均衡表転換線(週足)
37696.71  ボリンジャー:-1σ(25日)
37262.94  ボリンジャー:+1σ(26週)
36679.31  ボリンジャー:-2σ(25日)
36642.35  13週移動平均線
35764.54  75日移動平均線
35661.91  ボリンジャー:-3σ(25日)
35479.89  均衡表基準線(週足)
35454.47  均衡表雲上限(日足)
34594.95  均衡表雲下限(日足)
34485.04  26週移動平均線
34328.46  ボリンジャー:-1σ(13週)
 
日経平均とTOPIXはともにザラ場安値の25日移動平均線割れを経て25日線上方に復帰して大引けを迎えるパターンが本日まで3日続き、25日線前後での売り買い拮抗状態を窺わせた。プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)が105.73%(昨日97.16%)と中立ゾーンの90-110%に収まっていることもあり、短期的には売り方、買い方ともに手掛けにくい地合いが続いていると推察される。
 

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