今週は軟調展開となった。日本、米国ともに祝日が1日ある変則日程。休場明けの米国株が長期金利の上昇を嫌気して大きく崩れたことから、日経平均株価はこれを受けた22日に大幅安となった。一方、東京株式市場が休場の間に、米国ではエヌビディアが決算を受けて急伸したことから、これを受けた24日には大幅高。この2営業日の値幅が大きかったが、下げて戻して週間では小幅な下落にとどまった。
日経平均は週間では約59円の下落となり、週足では3週連続で陰線を形成した。
注目された植田氏の所信聴取では、日銀の取り組みは適切だとするこれまでのスタンスを崩さず、株式市場に一定の安心感をもたらした。もっとも、植田氏の発言内容は市場の想定に沿ったもので、好感反応は継続性が乏しい可能性もある。一方、米国は次回3月21、22日のFOMC(米連邦公開市場委員会)をめぐって、利上げ幅が再び0.5%(前回は0.25%)に拡大する観測もあり、警戒感が強まる場面もありそう。
来週は神経質な展開か。
3月相場に突入するが、翌週に日銀会合(3/9~3/10)や米2月雇用統計(3/10)の発表があるため、これまで以上に手控えムードが膨らむことも想定される。
月末月初で日米とも経済指標の発表が多いが、特に米国では2月に入って強めの指標が多く確認されており、市場予想を上回るものが多くなると、米金利の上昇や米国株の下落を呼び込む可能性がある。国内は、次回の日銀会合が黒田総裁の下での最後となるため、これを見極めるまでは動きづらい。
日経平均株価はこれまで同様に2万7500円を超えてくると上値が重くなるとみる一方、同水準を大きく下回るようであれば、押し目買いは入ると考える。待ちの姿勢が日増しに強まってくると思われる中、グロース、バリュー、テーマ株などを日替わりで物色する傾向が強まると予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(24日現在)
27928.52 ボリンジャー:+1σ(26週)
27919.53 ボリンジャー:+2σ(25日)
27757.16 ボリンジャー:+1σ(13週)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27696.44 新値三本足陽転値
27669.03 ボリンジャー:+1σ(25日)
27462.07 6日移動平均線
27453.48 ★日経平均株価24日終値
27418.53 25日移動平均線
27386.87 均衡表転換線(日足)
27300.94 75日移動平均線
27271.58 200日移動平均線
27268.28 均衡表雲下限(週足)
27234.05 26週移動平均線
27168.03 ボリンジャー:-1σ(25日)
27140.86 均衡表基準線(週足)
27082.09 均衡表雲上限(日足)
27071.09 均衡表基準線(日足)
27054.79 13週移動平均線
26917.53 ボリンジャー:-2σ(25日)
26741.56 均衡表転換線(週足)
26667.03 ボリンジャー:-3σ(25日)
終値は200日や25日の移動平均線を上回り、下落局面入りを回避した格好。一目均衡表は三役好転をキープ。転換線は下降を続けたが、基準線は上昇しており、大勢では買い手優勢の地合いが継続している模様だ。一方、下向きの5日線が25日線を下回った。25日線が上向きのためデッドクロスには該当しないが、短期的な地合い悪化の可能性にも留意が必要となろう。
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