10日の日経平均株価は大幅に3営業日続伸し、2万6175円(前週末比201円高)引けとなった。現地9日の米国株式は高安まちまちながら、前週末6日に米22年12月雇用統計結果を受けて主要3指数が大幅高したことを織り込み、上げ幅は一時340円を超えた。買い一巡後は伸び悩んだが、下値は限定された。チャート上では、2万6000円を4営業日ぶりに回復したが、この水準で下値抵抗力を示せるかがポイントになるだろう。
あす11日の日経平均株価は神経質な展開か。
10日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を受けて米国マーケットがどう反応するかが注目されるが、12日には重要指標となる米22年12月CPI(消費者物価指数)の発表を控える。また、13日に米JPモルガン・チェースなど米金融機関の決算が始まる。国内でも22年11月期決算や、23年8月期第1四半期(22年9-11月)決算、23年2月期第3四半期累計(22年3-11月)決算などの公表が開始され、結果を確認したいとの空気が広がりやすいだろう。
市場では、「経済指標や決算をにらみつつ、新たな材料待ちといったところだ」との声が聞かれている。
日経平均は、水準的にも25日線(2万6967円、10日時点、以下同じ)までは抵抗も少なかっただけに、寄り付き近辺で取引を終えたのは物足りない。きょうに関しては、値下がり銘柄が結構多かったのも気になる動きだった。業種別でも銀行やディフェンシブセクターの一角が弱かった程度であったが、終わってみれば33業種中、14業種が下落している状態。米国の金利低下を受けても三菱UFJなどメガバンクが比較的値を保っており、日本の金利上昇に対する懸念が拭いきれないようでもある。終日5日線(2万5956円)より上で推移できたことは安心材料ではあるだけに、明日は悪くても2万6000円より上をキープできるかに注目したい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(10日現在)
27275.88 200日移動平均線
27218.67 75日移動平均線
27179.01 13週移動平均線
27082.09 均衡表転換線(週足)
27062.13 均衡表雲下限(日足)
27042.68 均衡表基準線(日足)
26967.37 25日移動平均線
26745.37 均衡表雲下限(週足)
26622.57 ボリンジャー:-1σ(26週)
26387.72 新値三本足陽転値
26368.93 ボリンジャー:-1σ(13週)
26175.56 ★日経平均株価10日終値
26144.20 ボリンジャー:-1σ(25日)
26141.19 均衡表転換線(日足)
25979.21 6日移動平均線
25780.94 ボリンジャー:-2σ(26週)
25558.85 ボリンジャー:-2σ(13週)
25321.04 ボリンジャー:-2σ(25日)
24939.31 ボリンジャー:-3σ(26週)
24748.76 ボリンジャー:-3σ(13週)
24497.87 ボリンジャー:-3σ(25日)
終値は節目の26000円を上回り、株価下方を走る5日移動平均線が上向きに転じ、短期的な地合い改善を窺わせた。反面、ローソク足は胴体部分が1.05円の小陰線から上ヒゲを出して上値での強い売り圧力を示している。25日線が下降中であるほか、新値三本足の陽転値26387.72円や昨年12月14日高値から今年大発会安値までの3分の1戻し26506.49円には届いていないため、下落圧力が再燃するリスクに引き続き警戒が必要となろう。
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