神経質な展開か

 
 
今週は、米国の5月消費者物価指数(CPI)が強い結果となったことから、金融引き締めへの警戒が再燃。6月のFOMCでは利上げ幅が0.75%になるとの見方が強まり、米国株は主要3指数が年初来安値を更新するなど調整色を強めた。
FOMCでは0.75%の利上げが決定され、結果発表直後には買い戻しが入った。しかし、スイスやイギリスが利上げを実施したことで、株式からの資金逃避が加速。ダウ平均は節目の3万ドルを割り込み、日経平均は週末値で2万6000円を割り込んだ。強力な金融引き締めを経た経済の着地の衝撃が見極めにくい状況となったことで、当面はリスク許容度が抑制される可能性があるだろう。
日経平均は週間では約1861円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
 
17日の日銀金融政策決定会合では緩和策が据え置かれたものの、欧米で加速する金融引き締めを背景に日本の長期金利にも上昇圧力が増している。円安が巻き戻される要因になり得るだけに、景気敏感型の輸出株には逆風が強まりつつあるだろう。
 
 
来週(20-24日)の日経平均株価は、神経質な展開か。
今週は欧米で金融引き締めに関するニュースが多く、世界的に株式市場が大きく崩れた。その余波には警戒を払う必要がある。ただ、FOMCや日銀会合など注目イベントを通過したことで、債券市場や為替市場はいったん値動きが落ち着くと見込まれる。
 
クアドルプル・ウィッチング(メジャーSQに相当)を17日に迎える米国市場や、資金逃避が続く暗号資産(仮想通貨)マーケットの情勢、さらには日銀会合を経た円相場の動向次第で不安定な動きが見込まれる。
 
ただ、こうした中でも下値を買う動きはみられる。例えば比較的高い水準で推移してきたコモディティー(商品)関連には益出しの売りも多い一方で、これまで様子を見てきた資金が流入し始めた可能性がある。日経業種指数は17日、鉱業や商社が売り一巡後に大きく切り返した。利上げによる景気後退を踏まえても、商品市況は構造的に崩れにくいという見方によるものだ。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(17日現在)
 
27074.36  25日移動平均線
27055.28  均衡表転換線(日足)
27055.28  均衡表基準線(日足)
27038.93  均衡表転換線(週足)
27034.95  均衡表基準線(週足)
26987.44  新値三本足陽転値
26850.68  75日移動平均線
26693.66  6日移動平均線
26603.69  均衡表雲上限(日足)
26518.88  ボリンジャー:-1σ(13週)
26510.28  均衡表雲下限(日足)
26453.43  ボリンジャー:-1σ(25日)
26355.18  ボリンジャー:-1σ(26週)
 
25963.00  ★日経平均株価17日終値
 
25934.00  ボリンジャー:-2σ(13週)
25832.50  ボリンジャー:-2σ(25日)
25499.75  ボリンジャー:-2σ(26週)
25349.13  ボリンジャー:-3σ(13週)
25211.57  ボリンジャー:-3σ(25日)
24644.31  ボリンジャー:-3σ(26週)
 
ローソク足は上下にヒゲを伴う小陰線に似た形状で終了し、底値到達を示唆した。ただ、株価上では25日移動平均線が下向きに転換。一目均衡表では遅行線が弱気シグナル発生を開始し、地合いの悪化を警告している。
週足ではローソク足が大陰線を引き、13週線が再び下向きとなっており、来週も下押しに警戒が必要となりそうだ。
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次