ゴールドマンがアレコレ言っている。
米株ストラテジーチームが発表したレポートの題名は「根拠ある熱狂」。
2018年末のS&P500の予測は2850ポイント。
NYダウは25900ドルに換算されている。
メッセージは「今回はバブルではない」。
ITバブル時にグリーンスパンFRB議長は「根拠なき熱狂」と言ったのが歴史。
当時と異なるのは堅調な経済成長と低めのインフレ率。
そして最大の効果は減税という。
税制改革法案が成立すれば主要企業の来年の利益は5%程度押し上げられるという試算もある。
興味深いのは牽引するセクターは今年の主役のIT関連ではなく工業と金融。
「根拠ある活況」とか「合理的活況」とか勇ましい感じだ。
因みにバンカメメリルの2018年末のS%P500の予想は2800ポイントだ。
また、ゴールドマンが予測した今後12ヶ月のTOPIXの目標水準は2000ポイント。
日経平均は25200円だという。
EPS成長率が9%、PERは上昇しないというのが前提条件だ。
外国人買いの継続、GPIFのETF買い継続というのも同様。
IT設備投資関連、サービス消費、防衛関連、中小型株がけん引セクターとの指摘。
兜町には根拠があってもなくても「活況」とか「熱狂」という言葉が甦って欲しいものである。
「ブラックフライデーから年末までS&P500は平均2%上昇」。
「下落にかける戦略はうまくいかない」。
「次は誰も降りられないチキンレースとは言えサンタラリー」。
NYのようなマインドが羨望の的でもある。
日経朝刊トップは「成長か衰退か」。
サブタイトルは「生産性考」で小見出しは「危機を好機に」となっている。
未来はロボット言う論調だが、興味深かったのは「時空を超え革命を」の部分。
「300年前、今の日本と同様、生産性の低さに苦しむ国があった。
英国だ。
産業革命(1760年~1830年ころ)が始まる前は賃金の高さの割には生産性が低いため、
国際競争力が高まらず、綿などの工業製品は人件費の安い中国やインドと勝負にならなかった。
その高い人件費こそが省力化のニーズを高めた。
ワットの蒸気機関の改良などを後押しした。
これが英国で産業革命が実現した要因となった。
産業革命前の1750年には世界の工業製品に占める中国とインドのシェアは57%。
1880年には15%まで急減。
同期間に英国は2%から23%まで増やした。
300年前の英国と時空を超えて重なる日本の姿」。
とても興味深い。
同じ歴史では日経朝刊の「読むヒント」も結構面白かった。
テーマは「歴史の常識覆す最新研究」。
登場したのは「薩長史観の正体」。
薩長史観を離れてみると「吉田松陰はテロ扇動家」。
「西郷隆盛は強盗団を雇って幕府を挑発」。
「錦の御旗には根拠レス」
「西郷は暴力革命を推進した武闘派」。
意外な見方も登場した。
あるいは「賊軍の昭和史」。
薩長の「旧軍閥」閥に牛耳られた昭和の軍部が始めた太平洋戦争。
「賊軍」藩出身の鈴木貫太郎や米内光政、井上成美らが集結させ日本を破滅の淵から救ったという見方だ。
東条英機は南部藩出身で「長州閥潰し」という説もある。
歴史が継続するならば、現在でもこの視点は結構興味深い。
(櫻井)。
