理外の理

「理外の理」
 
NY株式市場は小動き。
NYダウは7日連続で過去最高値を更新。
S&P500は6日連続で過去最高値を更新。
NASADQは小反落だった。
FOMCは金利据え置き決定で着地。
年内にあと1回の利上げを想定しているとした。
約4兆2000億ドルに膨らんだバランスシートの縮小に10月から着手すると公表。
ほぼ予想通りの展開でサプライズなしだった。
12月の利上げ確率はFOMC発表直前の51%から発表後には約67%に上昇した。
10年債利回りは一時2.29%と8月8日以来の高水準まで上昇。
その後2.27%水準での推移。
最近のハリケーンの影響や低調なインフレ動向を踏まえFRBが一段とハト派的な姿勢を打ち出すのではないかと予想する向きもあった。
しかし結局はサプライズなし。
ドル・円は一時、2カ月ぶりの高水準となる112.51円まで上昇した。
 
 
水曜の日経平均株価は3日続伸。
「上値では戻り待ちや短期の利益確定売りが出たものの、これらを吸収。
商いは引き続き高水準で衆院選に向けた経済政策への期待感が内外投資家による新規の資金流入を誘った」との解釈。
先物12月限は始値、終値ともに20140円と寄引同値足。
原指数も始値20301円に対し終値20310円と実体9円幅の極小線。
「ともに気迷い線とか転換線などと言われる足。
マドを開けて伸び上がったところで寄引同値線となれば、いったんは調整。
市場気迷いを振り切って4連騰となるようだったら、物凄い強さ」という声もある。
225先物大証夜間取引終値は日中比130円高の20270円。
現物換算では20400円水準と強い動き。
ドル円の112円台を好感した格好だ。
日経平均は2015年6月高値の20952円をうかがう展開か」という勢いのある指摘も見え始めた。
25日移動平均からのかい離はプラス3.6%。
都合の良いことに騰落レシオは118.66%まで低下した。
裁定買い残は1兆3742億円。
前週比1203億円減少と2週ぶリに減少。
裁定売り残は5422億円と前週比101億円減少で7週ぶりの減少。
まったく邪魔にはならないしむしろ売り残の方が狼狽だろう。
信用売り残は973億円増加の1兆111億円と3ヶ月ぶりの高水準だ。
買い残は919億円減少の2兆5939億円。
信用倍率は単純に2.56倍。
ここも売り方の厳しい状況だ。
ボリンジャーのプラス2σは20143円、プラス3σは20414円。
プラス3σを超えるという歴史的現実に遭遇できるかどうか興味深い一日。
因みに今日上がれば4連騰。
5連騰へ続くかどうかも課題だ。
イスラムのヒジュラ暦の新年株高アノマリーに期待だろう。
日経朝刊連載小説「愉楽にて」は「さあ、部屋をとってあるから一杯やらないか」で終わった。
これも明日の株高への期待になろうか。
4月17日安値の売り方期日というのも間もなく到来する。
 
日経朝刊スクランブル。
「セリアが代表するように安定成長株はすでに割高な水準まで舞い上げられている。
米国主導で世界経済が成長する確かな手応えとともに、
銀行などの大型割安株に資金が向かわなければ、
日経平均が2万円を超えてさらに上昇するシナリオは描きにくい」。
これは株が上がらないと言っているのか、日経平均が上がらないと言っているのかは微妙なコメント。
寄与度という不可解なものがある限り225は上がりにくいだろう。
しかし単純平均株価はやっと今週3000円台に乗せてきた。
体感と日経平均は全く違うというのが現実。
しかも銀行・自動車は時価総額は大きくとも相場の主役ではなかろう。
この錯覚は是正されれば日本の株式市場はマトモになるはずだ。
 
9月21日イスラムのヒジュラ暦の新年。
昨年から言い続けた「9月21日から株高。だから9月は急上昇」のシナリオ。
多くの方は笑いながら聞いていたことだと思う。
しかし夢は実現したという格好。
「当然だろう」なんて傲慢さは全くなく、実際は「ホッとした」というのが本音。
初夏の頃にはセミナーで「これがハズレたら株式評論家の立場はなくなる」とまで言ったこともあった。
まずは無事通過で良かった。
おそらくこういう値動きを「理外の理」というのだろう。
午後は京都へ。
「西向くサクライ株高アノマリー」が去来する。
そういえば先週金曜も西向いていた。
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
日新(9066)・・・動兆
 
日新に注目する。
同社は国際物流大手。
自動車、電機に強く日・米・中・アジア・欧の5極経営。
業績は絶好調。
横浜再開発も好材料。
ボジョレヌーボーは同社の物流力の賜物。
日本の製造業・小売業の物流を支えているのも同社というのが現実だ。

(兜町カタリスト櫻井)

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