現物先物の逆ザヤに注意のメジャーSQ日

NY株式市場はマチマチながらほぼ横ばい。
銀行セクターや軟調な業績見通しのウォルト・ディズニーやコムキャストが足と引っ張った。
一方IT関連やバイオ関連は上昇という格好。
大型ハリケーン「イルマ」が近づきつつあり投資家心理は結構慎重。
安全資産とされる国債は買い優勢の展開。

10年債利回りは2.05%と低下(価格は上昇)。
一時、2.034%と昨年11月10日以来の低水準をつけた。
30年債利回りは一時2.651%と昨年11月以来の水準をつける場面があった。
「ECBのインフレ率見通し下方修正を受け、独連邦債利回りが低下したことも材料視された」という声も聞こえる。
またECBが資産買い入れプログラムの縮小に関する決定は10月になりそうだとの見方。
ユーロ/ドルが1.20ドルを突破して約2週間ぶりの大幅な上昇。
「テーパリングを10月に発表する可能性がユーロを押し上げた」という見方が自然だろう。
一方、ドル円は一時、108.07円までの円高傾向で約10カ月ぶりの低水準。
先日に連邦債務の上限を3カ月間引き上げることでトランプ政権と議会指導部は合意。
しかし「3カ月の期限が切れた後の米財政政策の見通しを巡って不安感が増加」という解釈が登場。
これが背景の円高という奇妙な論理も聞かれる。
週刊新規失業保険申請件数は29.8万件で2015年4月以来の高水準。
増加幅は12年11月以来の大きさ。
NYからは北朝鮮をめぐる警戒感はほとんど聞こえこない。
むしろ金融政策と景気をめぐる高級な解釈ばかりの横行。
ある意味平穏と言えるのかも知れない。

木曜の日経平均株価は続伸ながらも後場失速。
上昇幅は1ケタまで縮小した場面もあった。
もっとも東証1部の値上がり銘柄数は1432と7割超。
トヨタが25日線回復。コマツ、日立建機が年初来高値更新。
東証1部の新安値18に対し、新高値59銘柄。
日経平均よりは全体の方が堅調だったとも言えよう。
「アレコレあれこれ材料が出てNY株も日本株も消化不良気味」という声が聞こえる。
8月第5週の海外投資家は6週連続で売り越し。
売越額は613億円。
前週は1529億円の売り越し。
個人は4週ぶりの売り越しで売越額は860億円。
前週は125億円の買い越し。
信託銀行は4週連続で買い越し。
買越額は87億円。
前週は255億円の買い越し。
先物では向では海外投資家が7週ぶりに買い越し。
買越額は788億円。
前週は1719億円の売り越し。
現物株と合わせると175億円の買い越しになるというのは微かな変化。
「斥候の買い」という見方もある。
証券会社の自己売買部門は9週ぶりの売り越しで売越額は980億円。
前週は393億円の買い越し。
個人は4週連続の売り越しで売越額は141億円。
前週の256億円からは縮小。
225先物大証夜間取引終値は日中比20円高の19270円。
昨日の現物終値19396円から見ると急落の感があるが限月が9月→12月へ移行。
9月配当権利落ち分が120円程度とすればほぼ変わらずの水準。
現物とのサヤは当然生じることであり9月配当権利落ちまでこの逆ザヤは続く。
「メジャーSQ通過でいったん吹っ切れるか」という期待感は多いがドル円の108円台は嫌気されよう。
9月9日北朝鮮の建国記念日が様子見要因になろう。
25日線からのかい離はマイナス1.0%。
空売り比率は42.0%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方はプラス0.06%(前日▲1.18%)。
9月5日の▲1.18%を越えて今年の記録を更新。
しかもプラスまできたことを考えるといい加減に限界感。
逆に買い方は▲20.66%(前日▲19.95%)と記録更新。
山より大きなイノシイは出ないとすれば、そろそろ新興市場も反発モードの可能性。
因みに6月メジャーSQ値は19997円。
8月SQ値19825円は終値ベースで一度も上回れなかった。
SQ値が幻でなくなれば気分も変わるだろう。

◇━━━ カタリスト ━━━◇

サンセイランディック(3277)・・・動兆

サンセイランディックに注目する。
同社は底地借地の不動産買取再販が中核。
仕入れは順調で業績は好調。
石巻市の旧市街地再開発事業本格支援など拡大基調継続。
(870円)

(兜町カタリスト櫻井)

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