珍しく魔の山ダボスが材料に

NY株式市場は値動が荒くマチマチの展開。
NYダウは小幅反発、NASDAQは4日ぶりの小幅下落。
市場からは株価材料になることが少ないと思われているダボス会議が結構影響した印象。
ロス商務長官は「米国の通商当局は中国の知的財産権侵害に対して措置を講じる根拠があるかどうか調査中」とコメント。
「次の課題は中国のハイテク分野。
中国は2025年計画で、ほぼすべての新テクノロジーの分野で大きな市場シェアを獲得することを目指している。
これは直接的な脅威となる」というのは好感されなかった。
気になるのは3市場の売買高は約76億株と増加したこと。
強弱感の対立の構図の結果だろう。
金利上昇で金融セクターは堅調。
決算発表後のGEが乱高下した。
ダボスではムニューシン財務長官も記者会見。
「ドル安は米国にとって恩恵になる」とコメントした。
為替のドル安傾向が進み国債は売り優勢の展開。
「ドルに関する政権側のこうした政策が持続すれば、米国債の購入に関心を示していた海外投資家が買いを思いとどまる可能性がある」との解釈だ。
ドル円は一時108円台まで下落した。
トランプ大統領は太陽光パネルと家庭用大型洗濯機についてセーフガードの発動を命じる文書に署名。
これもドル安要因と解釈された。
「貿易摩擦が起きるたびに、通貨へのマイナス心理が強まる」という声もある。
サンダース報道官は「ドル相場は非常に安定。
トランプ大統領は自由変動相場を支持している」とコメントしている。
「日銀の決定によるインパクトが薄れた」という他力コメントも見られた。
こうなると25日のECB理事会よりも26日のダボスでのトランプ大統領のコメントを市場は気にしてくるのだろう。
独仏伊首脳は「国家主義と保護主義への回帰に対する懸念」を表明している。
 
 
「続伸続落は3日まで」のリズムが今年のリズム。
日経平均は3日続伸のあとの反落。
黒田節の甲斐なく、円高進行への警戒から、日経平均は後場下落幅を拡大。
「ユーロ高→ドル安→円高」というシナリオは島原大変みたいな論法となった。
もっとも「ドル安→NY株高サポート→日本株も売り一辺倒にはならない」という構図も一部にはある。
市場の下落解釈は「(1)24000円台タッチでの利食い売り、
(2)安川電機の決算を見て過剰な期待を反省するモード、
(3)外資系証券アナリストが主力ハイテクを格下げし始めた」。
為替離れした日本株を体感した直後の円高嫌気というのはタイミングとしては売り方に取っては最高だったのかも知れない。
かと言って、株高トレンドの一里塚の休憩にしか過ぎないという意識はあろう。
ドル建て日経平均が217.76と昨年来高値を更新したのは救い。
25日線〈23379円)からの乖離はプラス2.4%まで低下。
サイコロは6勝6敗の50%。
松井証券信用評価損益率速報買い方は△0.648%とプラス継続。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率でも買い方は△0.46%。
1月19日現在のQuick調査の信用評価損率は8週ぶりに悪化し▲5.10%(前週▲3.63%)。
空売り比率は38.8%。
裁定買い残は894億円減少し2兆8551億円。
裁定売り残は404億円減少し5039億円。
日経平均採用銘柄のPERは15.72倍でEPSは152円と伸びてこない。
シカゴ225先物終値は大証日中比170円安の23740円。
5日移動平均線(23890円〉を割れこんできた。
ドル円の109円台前半を嫌気している。
勝手雲の上限は23560円。
昨日は基準線の23913円がサポートしていたが、今日は転換線の23858円を下回ることになりそう。
ボリンジャーのプラス1σ水準の23831円を下回ると25日線が砦となるがそこまではなかろう。
1月SQ値23723円攻防戦。
気学運勢暦では昨日は「押し込んでも戻す日」だが戻さなかった。
今日は「押し目買い方針」となっている。
今年の傾向は「金・土・月曜の株高、水木の軟調」でもある。
ダボスに閣僚が行かない国の哀しさの局面でもあろうか。
だからダボスは「魔の山」と呼ばれるのだろう。
ハンス・カストルプなんて主人公はもう記憶の彼方だが・・・。
 
そのダボスからの意外とドメな報道。

世界経済フォーラムなどは2018年夏の「第4次産業革命」に関する技術開発や実用化を目指す研究施設を東京都内に開設する。
日立製作所やNECなどが参画。
人工知能(AI)など先端技術を活用した新しいサービスの実証実験などに取り組む。
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブと経済産業省が共同で「世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター」を開設するという。
同センターの開設は米サンフランシスコに続き2拠点目。
ビッグデータを活用した医療や自動運転、仮想通貨に使うブロックチェーンなど様々な最先端技術を調査。
マイクロソフトやセールスフォースなど海外企業と共同で実証実験。
官民一体となって新しいルールや制度作りも提言する。
記者会見した日立製作所の中西宏明会長のコメント。
「デジタル社会をつくる絶好の機会になる」。
第4次産業革命は今回のダボス会議の主要テーマの一つ。
多くの討論や議論が予定されている。
 
NYダウは41ドル高の26252ドル。
NASDAQは45ポイント安の7415ポイント。
S&P500は1ポイント安の2837ポイント。
ダウ輸送株指数は160ポイント安の11184ポイント。
3市場の売買高は76.3億株。
CME円建ては大証比170円安の23740円。
ドル建ては大証比145ポイント安の23765ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比180円安の23730円。
ドル円は109.19円。
10年国債利回りは2.643%。
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
サンセイランディック(3277)・・・動兆。
 
サンセイランディックに注目する。
同社は権利関係が複雑な底地借地の権利調整・再生再販が中核。
業績は堅調。
エリアも拡大基調。 
昨年国内有数の民泊予約サイト「STAY JAPAN」を運営する百戦錬磨(仙台市)と業務提携。
今年、株価は上昇基調。
昨日出来高は26万株と急増。

(兜町カタリスト櫻井)

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