満月・ゴールデンクロスの投資の日

「満月・ゴールデンクロスの投資の日」
 
NY株式市場は主要3指数が連日の史上最高値更新。
ラッセル2000も終値ベースの最高値を更新した。
ハリケーンに見舞われたテキサス州などの自動車買い替え需要から自動車セクターが堅調。
航空セクターも指数の上昇を牽引した。
「景気敏感株への資金シフトが観測されている。
投資家は直近の良好な経済指標を信頼している。
北朝鮮の地政学リスクなどの一部懸念は脇へ追いやられている」との声が聞こえる。
経済指標に加えて企業業績の好調も相場の上昇要因の一つ。
S&P500採用銘柄の第3四半期は前年同期比5.5%の増益見通しだ。
ダウ輸送株指数は1万ポイント目前まで上昇しており好調な景気のバロメーターという見方もある。
国債利回りはほぼ横ばい。
ラスベガスの銃乱射事件への警戒感は多少残っているとの指摘がある。
もっとも12月利上げの可能性が高いことに変わりはない。
週末の雇用統計に視点が移っているが事前予想は8万人増程度の見通し。
ハリケーンの影響での減少見通だ。
ドル円はポジション調整の動きから112円台後半とやや円高トレンドで推移。
しかし市場からは「114円~115円が視野に入ってきた」との声も聞こえる。
CNBCのインタビューに登場した著名投資家のウォーレン・バフェット氏。
「トランプ米大統領が法人税率引き下げを実現できるか注視している」とコメント。
長期投資がメインの同氏が税制問題に焦点を当てることは稀なケースといえる。
「共和党政権と同党が支配する議会が初年に完敗することは望んでいない。
税制改革の実現は可能」との見方だ。
NYは歴史的な上昇であることは間違いない。
興味深いのは表現された「NY株の長期トレンドはあと15年ほど上昇が続く」というNYの声。
S&P500は1930年代以降、16~18年間の調整期と16~18年間の上昇期を繰り返している。
1999年~2012年の長期調整期を上抜けてからまだ4年しか経っていない」というのが理由。
 
 
日経平均は年初来高値を更新。
前日比213円29銭高は「NISA福」と読めるおめでたい数字の並びだった。
もっとも売買エネルギーはあまり伴っておらず過熱感なき上昇という印象。
東証アローズにTVクルーはおらず静かに2年1ヶ月ぶりの水準を回復してきた。
「テクニカル的には2015年高値の20952円まではそれほど大きな抵抗はない」という見方も多い。
日経平均上昇率1.05%、TOPIX上昇率0.65%と日経平均優位の展開。
NT倍率は一時12.24倍と2ヵ月ぶりの水準まで上昇した。
9月には12.1倍程度まで低下していたからまさに巻き戻しの動きとも言えよう。
アベノミクス相場の天井は20868円(2015年6月、ザラバ高値は2015年8月20952円)。
残すところあと250円ほど。
「この高値を超えればアベノミクス相場第2幕開演」という見方も登場してきた。
1株あたり時価も1993円まで来た。
10年国債利回りは一時0.08%まで上昇(価格は下落)。
日銀がなりふり構わぬレベルの0.1%まではまだ余裕がある。
「10月は金利上昇の月」と言う予測は間違ってはいない筈だ。
9月29日時点の信用買い残は2兆5929億円。
5週間ぶりに増加した。
一方売り残は1149億円減少し9927億円。
中間期末の信用売現物買いの解消と解釈されているが、踏み上げも含まれていよう。
空売り比率の38%台も心地よい40%割れに写ろうか。
225先物大証夜間取引終値は日中比70円高の20670円と続伸。
25日線(19920円)からはプラス3.5%の乖離(前日プラス2.6%)。
4%のプラス乖離で20716円と計算できる。
75日線を今日上抜くだろうから今年二度目のゴールデンクロスの完成。
4月7日がデッドクロス→約1ヶ月後5月19日がゴールデンクロス。
約3ヶ月後の8月19日がデッドクロスだった。
そしてそれから1ヶ月半でのゴールデンクロス。
前例に従えば数ヶ月は25日線が75日線を上回る状況だ。
騰落レシオの128.71は「まだまだ」という解釈になろう。
ボリンジャのプラス2σ20767円を越えるかどうかが課題だ。
月初の益出しの邪魔はなさそうな気配。
「満月と重なった投資の日のゴールデンクロスで株高アノマリー」になりそうだ。
 
永田町で政局がどうなろうと霞が関は進んでいる。
2日に経済産業省が発表した「コネクテッドインダストリーズ東京イニシアティブ2017」。
重点分野は以下の5項目。
★自動走行・モビリティサービス
★ものづくり・ロボティクス
★バイオ・素材
★プラント・インフラ保安
★スマートライフ
様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながる

AI等によって、新たな付加価値や製品・サービスを創出

生産性を向上 高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題を解決

これらを通じて、産業競争力の強化→国民生活の向上・国民経済の健全な発展

 
また、総務省は昨日「IoTセキュリティ総合対策」を発表。
サイバー対策の開示を促した。
(1)サイバー対策に強いIoT機器への認証制度
(2)研究開発の促進
(3)民間企業の対策促進
(4)人材教育
(5)国際連携
が骨格。
徐々に進んでいる。
 
気になるのは残業減少でも賃金維持という経団連の方向。
「働き方改革が進んでもその分賃金が減少すれば消費や生産性向上の意欲を削ぐ」というのが理由。
残業が月60時間に減少すると残業代は最大8.5兆円減少するという。
これが企業利益にそのまま乗れば企業利益は年間80兆円を越える。
過去最大の収益を賃金や設備投資にどう向かわせる環境整備は当然必要だろう。
しかしそんなことを待つより「増え続ける配当目的での株式投資の促進」というのも必要。
賃金上昇が少ないならば、利益分配は株式で・・・。
そんなキャッチフレーズも必要だろう。
 
2017年
10月  80万株売り越し 買い1日,売り2日
 
9月  3228万株買い越し 買い13日,売り7日
8月  1160万株買い越し 買い14日,売り9日
7月  1500万株売り越し 買い10日,売り10日
 
(半期合計 8320万株買い越し 買い69日、売り53日)
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
うるる(3979)・・・動兆
 
うるるに注目する。
同社はクラウドソーシングを用いて入札情報速報サービスやデータ入力などが中核。
入札情報速報サービスが好調。
コールセンター業務も拡大基調。
上場半年の反騰アノマリーに期待。

(兜町カタリスト櫻井)

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