波乱含みの展開か

 
10日の日経平均は3日続伸。終値は116円高の27696円。
前日の米国市場は、長期金利の上昇が一服したことで買い戻しの動きが続き、主要3株価指数は大幅に上昇した。また、ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長は、今後数カ月でマスク着用義務などのコロナ関連規制が解除されるとの見方を英メディアに語ったことも相場を支えた。
 
こうした流れを引き継ぎ、東京市場でもテック関連株中心に買い先行で始まったほか、好決算企業への資金流入も継続した。ただし、今夜発表の米CPIの結果を見極めたいとの思惑が強いほか、時間外取引の米国株先物が軟調に推移しており、買い一巡後は模様眺めムードが強まった。

今週は、堅調となった。米国では強い1月雇用統計を受けて、長期金利が上昇。以降も金利の上昇傾向が続いた。ただ、米国株のネガティブな反応がこれまでと比べると小さかったことから、金利上昇に耐性がつき始めたとの見方が市場で広がった。
東京株式市場は米長期金利が上昇してもナスダックが強く買われるといった日もあったことから、過度な警戒が後退した。景気敏感系のセクターが買われつつ、売り込まれていたグロース株も見直されるという好循環が生まれ、全体としての底上げが進んだ。
日経平均は週間では約256円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
 
 
来週は波乱含みの展開か。
三連休明けという点もボラティリティを高めやすいが、16日に1月開催のFOMC議事録が公表されることが相場の行方を左右する。2022年に入って米国株、特にグロース株に対する売り圧力が強まったが、その引き金を引いたのは、1月初旬に出てきた昨年12月のFOMC議事録公表であった。
前回1月のFOMCではパウエル議長の会見が株式市場を突き放したようにも映っており、議論の中身は一段とタカ派色の強いものになっていると思われる。
米国株の動きが良くなってはいるが、下げ止まったと言えるかは微妙なところ。この16日には、半導体大手のエヌビディアやアプライド・マテリアルズの決算も発表予定。米グロース株への警戒が和らぎ、上述の半導体株の決算反応も良くて一気にリスクオンといった楽観シナリオも描ける一方、3月FOMCへの警戒が一気に高まり、再び下方向に勢いがつくといった悲観シナリオも想定される。米長期金利とナスダックの動向に神経質となる地合いが続くだろう。
 

 
■上値・下値テクニカル・ポイント(10日現在)
 
28976.98  ボリンジャー:+1σ(13週)
28877.28  ボリンジャー:+2σ(25日)
28774.77  均衡表雲上限(日足)
28709.70  均衡表雲下限(日足)
28645.55  26週移動平均線
28588.27  200日移動平均線
28497.68  75日移動平均線
28420.15  均衡表基準線(週足)
28392.20  均衡表雲上限(週足)
28251.53  ボリンジャー:+1σ(25日)
28235.64  13週移動平均線
27716.34  均衡表転換線(週足)
27716.34  均衡表基準線(日足)
 
27696.08  ★日経平均株価10日終値
 
27669.69  ボリンジャー:-1σ(26週)
27625.78  25日移動平均線
27494.30  ボリンジャー:-1σ(13週)
27415.11  6日移動平均線
27211.18  均衡表転換線(日足)
27011.33   新値三本足陰転値
27000.03  ボリンジャー:-1σ(25日)
26752.96  ボリンジャー:-2σ(13週)
26693.83  ボリンジャー:-2σ(26週)
26654.66  均衡表雲下限(週足)
26374.29  ボリンジャー:-2σ(25日)

ローソク足は小陰線で終了したが、上ヒゲは1月の急落の半値戻し27716.34円をクリアして順調な反転トレンドを確認。終値は1月12日以来の25日移動平均線越えで、急速な地合い改善を窺わせた。
RSI(14日ベース)は52.19%、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は95.14%といずれも中立圏中央付近にとどまっているため過熱感は窺えず、来週以降の戻り継続に期待をつなぐ形となった。

 

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