様子見か

1日の日経平均株価は、前日比430円06銭安の2万7661円47銭と大幅に続落して取引を終えた。
インフレに苦しむ欧米市場では、大幅な利上げによる経済への悪影響が警戒され、主要な株価指数は続落。世界の景気敏感株とされる日本株にも売りが広がり、日経平均は後場中盤にかけて、27589.70円まで下げ幅を拡大させた。円相場が一時1ドル=139円台後半まで円安が進んだことから、輸出株の一角には押し目を拾う動きもみられた。ただし、時間外取引での米株先物の軟調やアジア市場安を映して先行き警戒感は拭えず。
 
2日の東京株式市場は、様子見姿勢が強まりそうだ。
1日の相場が終日弱い動きとなったことや、週末要因もあり、模様眺めムードが広がる展開も見込まれる。米政府が米エヌビディアに対し、中国とロシアへの高性能半導体の輸出を制限すると報じられ、時間外取引で米株価指数先物が下落した動きを「きょうの日経平均株価が完全に織り込んだとは見込みづらい」との見方があった。また、現地2日の米8月雇用統計の発表を控え「積極的な売買は控えられ、ポジション調整の売買が中心になりそう、投資家心理の悪化で仕掛け的な売買には注意したい」との声も聞かれた。
 
あすは日本株を強く売り込むような動きにはならないと考える。きょうの終値は2万7661円。できれば上昇して52週線(2万7852円、1日時点、以下同じ)を上回って終えてほしいところだが、弱かった場合には200日線(2万7501円)までで下げ止まるかを注視しておきたい。13週線(2万7476円)にも近いだけに、これらの水準を割り込んでしまうと一気に売りに勢いがつくリスクがあるだろう。
 
日経平均株価は200日線水準である2万7500円を維持できるかが目先のポイントとの見方が多い。ただし、中国・深センでは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためロックダウンが始まるなど、中国経済の先行きに懸念が広がっている。また、米国では1日、アトランタ連銀のボスティック総裁の発言機会がある。このところ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からタカ派発言が相次いでいるだけに、警戒が必要だろう。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(1日現在)
 
28460.34  ボリンジャー:+1σ(13週)
28373.93  均衡表基準線(日足)
28280.61  25日移動平均線
28208.96  均衡表転換線(日足)
28157.99  6日移動平均線
28109.00  ボリンジャー:+1σ(26週)
27821.06  ボリンジャー:-1σ(25日)
27738.76  均衡表雲上限(週足)
 
27661.47  ★日経平均株価1日終値
 
27584.30  均衡表転換線(週足)
27501.87  200日移動平均線
27476.37  13週移動平均線
27369.78  75日移動平均線
27361.51  ボリンジャー:-2σ(25日)
27243.39  均衡表雲下限(週足)
27220.94  26週移動平均線
27014.76  均衡表雲上限(日足)
 
 
ローソク足はマド空けを伴って陰線を引き、下向きに転じた25日移動平均線(28280.61円)を下放れた。一目均衡表では転換線が基準線を下回るとともに、遅行線が弱気シグナル発生を開始して三役好転が終了。本日は変化日であり、遅行線の応当日株価が上昇局面に入るため弱気シグナルは増大に向かう可能性が高く、地合いの悪化が警戒される。本日安値27589.70円の下に位置する8月安値(27530.60円)や200日移動平均線(27501.87円)が下値支持線として期待されるが、200日線を下放れると、25日線の5%下方乖離(本日終値ベースで26866.57円)など売られ過ぎゾーンへの下落リスクが意識されるだろう。
 
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次