9月最初の取引となる日経平均株価は5日続伸。終値は前日比91円高の3万2710円で1カ月ぶりの高値となった。前日の米株反落で寄り付きこそ100円超の下げで始まったが、開始15分でプラス圏へ切り返し、反対に200円を超える上げへと発展させていった。前日までの4日間で1000円近く上昇して短期的な過熱感も意識されるところだが、米ハイテク株高やリスク許容度の回復した外国人の買いで、コンスタントに買いが入る状況となっている。
8月安値(3万1275円)を明確な底値に変えています。上値抵抗線となりかかっていた13週移動平均線(3万2479円)もクリアし、現状では全ての週足移動平均線を株価が上回る上昇基調の形を取っている。
今週は、大幅高となった。
前の週にジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演を消化して米国株が上昇したことを好感して、週明け8月28日の日経平均は500円を超える上昇。その後も、良好な外部環境に後押しされて買いが続いた。
米国では7月のJOLTS求人件数、8月のADP民間部門雇用者数、4-6月期GDP改定値など弱めの経済指標が相次いだことから、金融引き締め長期化に対する警戒が大きく後退。米国の長期金利も低下して、株式に資金が入りやすい地合いが醸成された。国内でも大型株が上昇を先導して、日経平均は今週負けなしの5連騰。TOPIXは年初来高値を更新した。日経平均は週間では続伸となり、約1086円の上昇。週足では実体の長い陽線を形成した。
来週は概ね堅調と予想する。
日経平均株価は今週、テクニカルの節目である25日線や13週線を超えてきた。TOPIXは年初来高値を更新している。
来週はSQ週ではあるものの、日米ともマクロ、ミクロの両面で目立った材料に乏しい。それだけに、今週強い動きが見られたことの余韻が来週にも継続すると考える。材料に乏しいことは売る理由がないと好意的に受け止められ、個別に買えるものを探す動きが活発となるだろう。なお、米国は月曜4日がレーバーデーにより休場で、東京市場では週明けに米雇用統計の結果を消化する。最近は米株休場に対応する日(来週であれば5日火曜日)に無駄に値幅が出ることも多いだけに、週前半の指数の値動きが不安定となりやすい点には留意しておきたい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(1日現在)
33677.54 ボリンジャー:+3σ(25日)
33615.97 ボリンジャー:+2σ(13週)
33202.69 ボリンジャー:+2σ(25日)
33047.87 ボリンジャー:+1σ(13週)
32754.78 ボリンジャー:+1σ(26週)
32727.83 ボリンジャー:+1σ(25日)
32710.62 ★日経平均株価1日終値
32643.52 均衡表雲上限(日足)
32519.03 均衡表転換線(週足)
32479.77 13週移動平均線
32382.01 均衡表基準線(日足)
32322.01 75日移動平均線
32287.21 新値三本足陰転値
32280.78 6日移動平均線
32252.98 25日移動平均線
32208.76 均衡表転換線(日足)
31911.68 ボリンジャー:-1σ(13週)
31778.12 ボリンジャー:-1σ(25日)
31775.98 均衡表雲下限(日足)
31343.58 ボリンジャー:-2σ(13週)
31303.27 ボリンジャー:-2σ(25日)
25日移動平均線やその上を走る75日線を上放れるとともに、5日線が上昇角度を増して短期的な買い圧力の強まりを窺わせた。一目均衡表でも終値は雲上方にとどまるとともに転換線が上向きをキープ。週足では上下ともにヒゲの短い大陽線を示現して週末終値が上向きの13週線を上回ったこともあり、来週の上昇トレンド継続が期待される。一方、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は121.10%と7月5日以来の過熱ラインの120%超えとなり、短期的な過熱感にも留意が必要となろう。
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