年内最終売買日となる大納会を迎えた30日の日経平均株価は続落し、終値は前日比187円44銭安の5万0339円48銭だった。
リスク回避目的の手仕舞い売りが優勢となった。朝方取引開始直後は先物主導で下値を探り、一時300円を超える下落となったものの、その後は下げ渋り、後場に入るとわずかながら上昇に転じる瞬間もあった。
しかし、上値も重く大引けにかけて再び軟化した。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに続落する冴えない展開で、東京株式市場でも様子見ムードが広がった。銀先物への売りに端を発した貴金属市況の下落を受け、業種別では非鉄セクターなどに売りがかさんだが、全体相場への波及は限定的だった。一方で、下値では押し目買いニーズも強く、個人投資家によるNISAの翌年枠を使った買いなども観測されている。
今年は大きく相場が上昇してきたなか、前日の米株安を受けて利益確定や持ち高整理の売りが優勢だった。下値の堅さを意識した買いも入り、日経平均は上昇に転じる場面もあった。
年末時点として初めて5万円の大台で終えた。値がさのソフトバンクグループ(SBG)に売りがやや強まる局面では日経平均も下げ幅を300円あまりに広げた。
ニューヨーク銀先物の急落を発端にした貴金属価格の大幅安を受け、株式にも売りが波及したとの見方もあった。
米株式市場では鉱山関連の銘柄が下落し、東京株式市場でも住友鉱や三菱マなど非鉄株の下げが目立った。手掛かり難で持ち高を一方向に傾ける展開にはなりづらく、相場の下値は限られた。
5万円を保って推移するなかで昼過ぎにかけて株価指数先物に打診的な買いがやや強まると、現物の日経平均も後場に入って小幅ながら上昇する場面があった。値がさのファストリが上げたほか、海運や銀行のなかでも出遅れ感のある地銀株などを買う動きもあった。
日経平均は25年年間では1万444円(26.1%)上昇し、3年連続の上昇となった。年間上昇幅は初めて1万円を超えた。
東証株価指数(TOPIX)は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比17.55ポイント(0.51%)安の3408.97だった。年末時点の最高値となった。月間ベースでは9カ月連続で上昇した。
2005年5月〜06年1月の9カ月連続上昇に並ぶ約20年ぶりの連騰記録となった。
JPXプライム150指数は続落し、6.23ポイント(0.43%)安の1450.41で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7436億円、売買高は15億6798万株だった。
東証プライムの値下がり銘柄数は1194、値上がりは356、横ばいは54だった。
個別では、終始売買代金トップの座を維持したキオクシアホールディングスだったが株価は軟調、売買代金上位のフジクラも利食い優勢。朝高の東洋エンジニアリングも下落して引けた。三菱重工業が冴えず、任天堂も売りに押された。住友金属鉱山の下げが目立つ。GMOインターネットが急落したほか、東邦亜鉛、I-neなどが大幅安。Link-Uグループ、エムアップホールディングスなども下値を探る展開になった。
半面、レーザーテックが堅調だったほか、ディスコも上昇。東京電力ホールディングスも頑強な値動き。ファーストリテイリングがしっかり、富士通も買いが優勢だった。低位株ではアドバンスクリエイトが2日連続で値幅制限いっぱいに買われ、ブイキューブも値を飛ばした。養命酒製造が物色人気となり、マルマエ、日本板硝子なども上値を追った。JMDCも高い。
