9日午前の日経平均株価は大幅に反落し、午前終値は前週末比3880円38銭安の5万1740円46銭だった。
取引時間中として2カ月ぶりに心理的節目の5万2000円を下回った。
きょう前場の東京株式市場はリスク回避目的の売り一色に染まり、日経平均株価は記録的な下げに見舞われた。一時4000円を超える暴落で5万1400円台まで一気に水準を切り下げる場面があった。中東での軍事衝突が長期化することへの懸念からWTI原油価格が高騰し、世界経済に与える影響が警戒されるなか、前週末の欧米株市場が全面安商状となった。東京市場も寄り付きからこれに追随する動きを強いられた。先物を絡めた売り攻勢で下げ幅は7%に達したが、アジア株市場も全面安商状にあり、韓国の主要株価指数が7.5%を超える下落となっていることも、投資家の不安心理を煽っている。
日本は中東地域からの原油輸入比率が高い。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、足元の原油価格高騰が経済の下押し圧力になるとの懸念が強まっている。トランプ米大統領は6日、自身のSNSで「イランとの合意は『無条件降伏』以外ではありえない」と投稿。イランメディアは9日、殺害されたハメネイ師の後継となる最高指導者に反米保守強硬派のモジタバ・ハメネイ師が選出されたと報じた。
日本時間9日のニューヨーク原油先物相場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近4月物は一時1バレル100ドルを上回って推移。軍事衝突の長期化で石油供給が滞るとの懸念から、世界的に投資家の運用リスクを回避する動きが強まっている。
後場の日経平均株価は、軟調推移を継続しそうだ。引き続きイラン攻撃の長期化なども意識される形となってリスク回避の動きが続こう。また、原油の輸入依存が高い日本にとって原油の供給不安は深刻な影響を及ぼしかねない状況で、今後も日本株は原油価格の動向に神経質な展開を余儀なくされよう。
ただ、「安定した政権基盤」が他国と比べて強みとなっており、グローバル資金の流入余地は大きい。イラン情勢への過度な警戒感が後退してくれば、その分、リバウンドも大きくなろう。
TOPIXは反落した。前引けは208.21ポイント安の3508.72だった。下落率は一時6%を超えた。JPXプライム150指数は反落し、83.12ポイント安の1463.04で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で4兆7467億円、売買高は18億5107万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1517。値上がりは60、横ばいは18だった。
業種別では、非鉄金属、ガラス・土石製品、機械などを筆頭に多くの業種が下落した一方で、鉱業のみ上昇した。
個別では断トツの売買代金をこなしたキオクシアホールディングスや、アドバンテスト、ディスコなど半導体関連の主力銘柄が大きく値を下げたほか、フジクラ、古河電気工業など電線株への売りも際立った。三菱重工業、川崎重工業など防衛関連も安く、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも下落した。日東紡績が値下がり率トップに売り込まれ、山一電機も急落。ユニチカも大幅安となった。ソフトバンクグループ(SBG)が下げた。
半面、原油高騰を背景にINPEXが逆行高、買収報道のあったロームも買いが優勢。JR東日本が堅調。サイバーエージェントも上値を追った。
