9日午前の日経平均株価は大幅続伸し、午前終値は前週末比2410円17銭(4.44%)高の5万6663円85銭だった。3日の最高値(5万4720円)を大きく上回った。
きょう前場の東京株式市場はリスクオン一色となり、日経平均は一時3000円高で5万7000円台まで急上昇する場面があった。衆院選では自民党が単独で衆議院の3分の2以上の議席数を獲得するなど歴史的な大勝を収め、これによる高市政権の基盤強化を背景に、積極財政へ向けて舵を切ることへの期待が買いを誘導した。ただ、日経平均は買い一巡後は若干伸び悩んだ。外国為替市場では取引時間中に急速に円高方向に押し戻されたこともあり、目先筋の利益確定売りが反映されたようだ。
衆院選では自民党が316議席を確保し、単独で定数の3分の2にあたる310議席を超えた。ひとつの政党が得た議席数としては戦後最多で、歴史的な勝利になった。高市早苗首相が積極財政を推し進め、財政出動強化による景気拡大や人工知能(AI)・半導体、バイオなど成長戦略の具体化に向けた動きが加速するとの見方が広がった。アドテストやファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株が相場を押し上げた。AI普及に伴ってデータセンター向け光ファイバーの需要が増加するとの見方からフジクラはじめ電線株の上昇も目立った。
前週末6日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が前日から1200ドルあまり上昇して最高値を更新し、初めて節目の5万ドル台に乗せた。米株式相場の大幅高も投資家心理を強気に傾けた。
自民党の圧勝を受けて市場では政策期待が高まる半面、財政などを巡る高市首相の言動が市場に与える影響度が高まる点を指摘する向きもあった。今後の歳出規模拡大を意識して9日は金利上昇が強まり、日本株には上値では利益確定売りが出た。ただ、上げ幅を極端に縮めるような展開にはならず、大幅高での推移が前場を通して続いた。
後場の日経平均株価は、買い優勢の展開となるか。売り材料に乏しく、後場も買い手優位の状況が続きそうだ。為替相場でも円安が進むとみられるが、160円に接近する場面では介入観測が強まるため、ドル・円の上昇余地はある程度限られるとみられる。物色テーマとしては、トランプ米大統領が異例の高市氏支持を表明していることからも、防衛、レアアース、人工ダイヤ関連などが連想される。そのほか、食料品の消費税減税は従来の高市首相の悲願ともされており、選挙戦の最中にはあまり触れられてこなかったものの、議論が再燃する方向に向かう見通しである。
東証株価指数(TOPIX)は大幅続伸した。前引けは前週末比86.59ポイント(2.34%)高の3785.59と、6日の最高値を上回った。初めて3800台に乗せる場面もあった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で5兆5964億円、売買高は16億3349万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1148で全体の約7割だった。値下がりは398、横ばいは49だった。
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、不動産業、電気機器などが上昇。下落は海運業、空運業、鉄鋼など。
個別ではアドバンテストが急騰、フジクラ、ディスコなども物色人気。ファーストリテイリングが高く、日立製作所なども買われた。メイコーがストップ高カイ気配、東京精密、日本マイクロニクス、住友電気工業、イビデンなども値を飛ばした。
半面、東京エレクトロンの上値が重かったほか、KDDIも軟調、TOWAも売りに押された。武蔵精密工業が急落、東洋エンジニアリング、第一稀元素化学工業などレアアース関連も利食われた。SUBARU、ホンダなど自動車株や、イオンはじめ消費関連株の一角は下げた。KDDIも売りに押された。
