東京株式(前引け)=反落、朝方荒れ模様 日銀利上げを意識

29日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前週末比200円22銭安の5万0550円17銭だった。下げ幅は一時400円を超えた。

きょう前場は朝方の取引開始直後に先物主導で値を崩し、日経平均は400円あまり下げる場面があったが、その後は下げ渋る展開となった。配当権利落ちに伴う下げ圧力は60円程度にとどまるが、全体相場の商いが盛り上がりを欠くなか指数主導で不安定な値動きを強いられている。

外国為替市場もボラタイルで一時1ドル=156円10銭近辺まで円高が進んだことで、ハイテク株には向かい風となった。個別では値上がり銘柄数が値下がりを上回り、TOPIXは小幅に上昇して前場の取引を終えている。

前週末の米株式市場で最高値圏にあったダウ工業株30種平均が6営業日ぶりに反落、ナスダック総合株価指数も下落した流れを受けて、日本株にも売りが先行した。

前週末の米株安を受けて、値がさ株を中心に売りが先行した。

日銀が朝方に公表した18〜19日開催の金融政策決定会合の「主な意見」で利上げの継続が示唆されたとの受け止めから、外国為替市場で円相場が一時上昇に転じ、輸出関連株などの重荷となった。一方、金利の上昇が業績の追い風となりやすい銀行株などは上昇した。

日銀が公表した「主な意見」では「為替市場を通じた物価への影響も踏まえ、緩和度合いの調整を行うことが妥当」との声や「(利上げが後手に回る)ビハインドザカーブになることを回避すべく、着実な利上げが望ましい」などの意見があった。日銀の利上げ継続が意識され、公表後に円相場は一時1ドル=156円台前半まで上昇した。

日経平均は下げ渋る場面もあった。前週末までに損益通算を目的とした売りは終了している。きょうは少額投資非課税制度(NISA)の新年枠を使うことができる初日にもあたり、個人投資家を中心とした買いが相場の支えとなった。

東証株価指数(TOPIX)は続伸し、一時最高値を上回った。前引けは3.21ポイント(0.09%)高の3426.27だった。JPXプライム150指数は反落した。

後場の日経平均株価は、軟調もみ合い展開が継続するか。今週は、年末年始休暇を挟むために立合いは本日と明日の2営業日にとどまり、市場参加者の減少も想定されるため、引き続き盛り上がりに欠ける展開となろう。ただ、年末年始で国内勢が休暇入りとなる中、為替相場の乱高下などにも注視。160円台乗せが視野に入れば、為替介入が現実味を帯びてこよう。介入実施の場合、同水準が日本政府の抵抗ラインと捉えられ、円高メリット銘柄に買い安心感が生じる可能性もあろう。

業種別では、鉱業、食料品、ゴム製品などが下落した一方で、非鉄金属、卸売業、証券・商品先物取引業などが上昇した。

前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9262億円、売買高は7億6870万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は626。値上がりは893、横ばいは58だった。

個別では断トツの売買代金をこなしているキオクシアホールディングスが軟調、アドバンテスト、ディスコなど半導体製造装置関連に安いものが目立つ。ファーストリテイリングも売りに押され、川崎重工業も冴えない。TOKYO BASE、FIG、セグエグループが大きく値を下げたほか、GMOインターネットも下落した。

半面、フジクラが高く、東洋エンジニアリングが物色人気。住友金属鉱山、三井E&Sなども高い。アドバンスクリエイト、東邦亜鉛はいずれも値幅制限いっぱいに買われた。

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