今週は軟調となった。米国株高や円安進行を追い風に、日経平均は週初から26週線を上回った。しかし、高値警戒感から米国株の上値が重くなると、目先の利益を確定する流れが強まる展開。
年初から約2カ月に渡る日経平均の戻り相場は今週の下げで一服し、当面は今回の戻りに対する調整局面に移行すると考えられる。
ある程度の日柄、値幅をかけて2万2000円というフシ目に到達し、そこで大きな週足陰線を描いたということは小天井形成と見ていいだろう。ここは26週線(2万1620円)、52週線(2万1955円)という中長期の強い上値抵抗線があり、足元の出来高の少なさから上抜くのは容易ではなさそうだった。そこに米中貿易摩擦緩和を織り込んでの米株安、大型経済対策発表後の中国株安が重なり、全体として材料ほぼ出尽くしから反落した。
注目されたECB理事会ではハト派的な内容が示されたものの、世界景気の減速懸念が強まり、株式市場は売りで反応。騰勢を強めていた上海株なども失速し、世界株安の様相が強まった。日経平均は週間では約577円の下落となり、週足では4週ぶりに陰線を形成した。
来週は、足元のファンダメンタルズの状態を確認しながらの相場展開となるだろう。
日本、中国、米国で経済指標の発表が多い。今週、世界経済の減速懸念が強まったことから、通常以上に指標には神経質となる展開が想定される。
14~15日には日銀金融政策決定会合が予定されている。マーケットが不安定な時期だけに、追加緩和など何らかの動きがあるとの思惑も働きやすく、こちらも通常以上にイベント前後の動きが荒くなる可能性がある。
とはいえ、翌週にはFOMC(19~20日)を控えるタイミング。ここでのFRBの動きを見極めたいとの見方から、上下どちらかに大きく振れた場合には、それを修正する動きも出てきやすい。強弱感が入り交じる中、指数は各種材料に一喜一憂が続くと予想する。
日経平均も来週、再来週くらいまでは国内金融機関の決算対策売りに押されやすく、2万1000円を挟んでの弱含みな値動きという市場関係者の話。
日経平均のチャートが大きく崩れたとまでは言えないだけに、これで調整一巡感が出てくれば再び力強い上昇が続く展開も期待できる。きょう下回った25日線(2万1223円、8日時点)を早々に回復できるかが、目先の焦点となる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(8日現在)
21698.33 均衡表基準線(週足)
21620.13 26週移動平均線
21583.85 ボリンジャー:+1σ(25日)
21538.23 6日移動平均線
21426.73 均衡表転換線(日足)
21263.97 ボリンジャー:+1σ(13週)
21223.14 25日移動平均線
21087.85 均衡表基準線(日足)
21085.17 75日移動平均線
21025.56 ★日経平均株価8日終値
20890.60 均衡表転換線(週足)
20862.43 ボリンジャー:-1σ(25日)
20823.69 均衡表雲上限(日足)
20691.77 13週移動平均線
20501.72 ボリンジャー:-2σ(25日)
20425.09 ボリンジャー:-1σ(26週)
20354.03 均衡表雲下限(日足)
20141.01 ボリンジャー:-3σ(25日)
20119.57 ボリンジャー:-1σ(13週)
25日線や75日線を下回ったほか、5日線が下降に転じ、調整局面入りのリスクが意識されている。一目均衡表では、日々線が雲上をキープしたものの、転換線は下降。遅行線と株価の上方乖離幅が一段と縮小し、強気シグナルは更に小さくなった。
ボリンジャーバンドでは、終値が中心線を下回って-1σに接近して引け、+2σに迫った4日をピークとする調整局面入りの形状となった。
