今週の日経平均は先週の急落分をほぼ埋める反発をみせ、わずか1週で調整完了という展開だった。
米国では投機的な売買が沈静化し始め、市場の混乱は長期化しないとの期待が日増しに高まった。国内では10都府県で緊急事態宣言を延長することが決まったが、マーケットへのネガティブな影響は限定的。それどころか、空運株や陸運株が悪材料を織り込んだ格好で騰勢を強めてきたことから、バリュー株物色が活況となった。
東証1部上場全銘柄で算出する指数トピックスに至っては先週の下げ幅の倍返しという大きな反転をみせ、週間の終値ベースで昨年来高値を更新、2018年1月以来3年ぶりの高値。東証2部やマザーズ、ジャスダックなど新興市場も値上がりしており、万遍なく買われる中身の良い上昇相場を展開している。
週間では、日経平均株価 約1115円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
来週は堅調展開か。今週の大幅高を受けて、投資家のセンチメントは強気に傾くと予想。TOPIXが昨年来高値を更新したことで、日経平均もこれに追随するとの見方が強まるだろう。引き続き決算発表は多く、中でも8日のソフトバンクGや10日のトヨタは注目を集める。木曜が休場でやや手がけづらさはあるが、米国市場も落ち着きを取り戻しつつあり、為替も円安に傾く中、売りを急ぐ要素も乏しい。
今週、バリュー系の銘柄に強い動きが見られたことから、決算発表終盤となっても個別の活況は続くだろう。マーケットのテクニカル的な調整は当然あるだろうが、安定した基調的な株高の流れはしばらく続くだろう。総じて下げづらい地合いが続くと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(5日現在)
29813.70 ボリンジャー:+3σ(25日)
29451.27 ボリンジャー:+2σ(26週)
29332.43 ボリンジャー:+2σ(13週)
29279.23 ボリンジャー:+2σ(25日)
28822.29 新値三本足陽転値
28779.19 ★日経平均株価5日終値
28744.76 ボリンジャー:+1σ(25日)
28314.04 6日移動平均線
28264.60 ボリンジャー:+1σ(13週)
28210.29 25日移動平均線
28207.76 均衡表転換線(日足)
27950.34 均衡表基準線(日足)
27675.82 ボリンジャー:-1σ(25日)
27653.31 均衡表転換線(週足)
27354.60 ボリンジャー:+1σ(26週)
27196.78 13週移動平均線
27141.35 ボリンジャー:-2σ(25日)
26867.04 均衡表雲上限(日足)
26606.88 ボリンジャー:-3σ(25日)
26449.42 75日移動平均線
日足ローソク足は上ヒゲが極端に短い「陽の大引け坊主」に似た形状を描き、週間では1115.80円高と先週の下落分968.06円を埋め、買い意欲の強さを確認した格好。
本日終値は上向きの5日線を上放れたほか、パラボリックが買い転換。新値3本足の陽転値28822.29円まで43.10円の好位置で週末を迎えた。一目均衡表では日足と週足のいずれも基準線が上向いており、1月14日に付けたバブル後高値28979.53円抜けへの下地が整ってきた。
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