10日の日経平均が反発。終値は前日比152円高の1万9498円だった。
米連邦準備理事会(FRB)が9日に大規模な金融支援策を決定し、前日の米国株が上昇して投資家心理の支えになった。半面、東京を中心に新型肺炎の感染拡大が止まらず、経済活動が長期間停滞するとの警戒感が上値を抑えている。来週は国内の感染者数の推移に比例した動きとなりそうだ。
今週は堅調展開となった。
今週は欧米で新型肺炎の感染拡大がピークを迎えるとの期待感から各国各市場で株価が大きく上昇した。市場のセンチメントが大きく改善。
国内では7都府県に緊急事態宣言が発令され売り込まれていた銘柄群に見直し買いが入った。小売企業の決算などでも弱い内容が売り材料にならない銘柄が散見されたことから、徐々に当面の底を打ったとの見方が優勢となった。
感染拡大への過度な警戒が後退したことから、週後半にかけてもしっかりとした動きが続き、週間では大幅高となった。
日経平均は週間では約1678円(9.4%)の上昇となり、週足では陽線を形成した。
NYダウ は12%強高と日経平均株価を上回る上昇となった。世界のコロナ感染者数ピーク説は期待先行かもしれないが、4月に入るとともに前向きな見方が出てきていることは確かだ。
さて、来週はもみ合い展開か。今週が強い上昇となったことで、基本的には戻り基調が続くと予想する。
米国では金融株を中心に決算発表が出始める。米国株がこれを受けて一段と強含むようなら、ノンストップの上昇が続く展開にも期待はできる。
ただし、日本では足元で新型コロナウイルスの感染者数が拡大している上に、政府の経済対策も他国に比べて見劣りすることから、ネガティブなニュースに神経質に反応する場面も出てくると考える。減産合意の話が出てきても原油価格が不安定な動きを続けていることも、相場のかく乱要因となる。
チャート上でも、転換点が接近している。NYダウは、2月高値から3月安値までの下げ幅の2分の1戻しの水準にまで上昇している。日経平均は3月25日高値1万9564円を抜けられるかがポイントだが、この水準を突破すれば2万円奪回も意識することになる。
ただ、弱材料には耐性がつき始めており下値は堅いと考えるものの、日経平均は節目の2万円を前にしては、戻り売りも待ち構えていると思われることから、上昇したとしてもそのペースは鈍ると予想する。
■テクニカル・ポイント(10日現在)
21868.31 200日移動平均線
21845.34 ボリンジャー:+3σ(25日)
21717.52 75日移動平均線
21396.06 均衡表雲上限(週足)
21120.05 13週移動平均線
20954.00 均衡表雲下限(週足)
20737.25 ボリンジャー:+2σ(25日)
20237.07 均衡表基準線(週足)
20133.52 均衡表転換線(週足)
20044.05 ボリンジャー:-1σ(26週)
19629.15 ボリンジャー:+1σ(25日)
19498.50 ★日経平均株価10日終値
18924.03 6日移動平均線
18879.03 均衡表基準線(日足)
18573.29 均衡表転換線(日足)
18521.06 25日移動平均線
18483.15 ボリンジャー:-1σ(13週)
ローソク足は寄り引けほぼ同値で下ヒゲを出す「トンボ」を示現して今後の株価の大幅変動を示唆しており、来週は3月25日高値を抜けば一段高が期待できる一方、戻り高値クリアに失敗すれば一旦下放れするリスクに留意したい。
一目均衡表では転換線がわずかに上向いた。遅行線は来週の応当日株価の下落で弱気シグナルが縮小する方向にあり、地合いの改善が期待できよう。
東証1部の騰落レシオは90.65%(昨日88.18%)と小幅上昇。2月12日以来およそ2カ月ぶりの90%台奪回を達成し、3月16日の40.12%をボトムとする強力な回復トレンドを示した。
