21日の日経平均株価は39円68銭高の2万2920円30銭(出来高概算9億1000万株)で取引を終えた。反発とはなったが、2万3000円レベルでの強弱感が対立しているようであり、こう着感の強い相場展開だった。ソフトバンクGやハイテク、医薬品株などの弱い値動きが目立っており、小幅な下げではあるが日経平均の戻りの鈍さにつながっている。
また、出来高も膨れず、5日連続で10億株を下回った他、売買代金についても5日連続で2兆円を下回っている。海外勢が夏休み休暇に入っていることで海外勢の資金流入が限られている影響が大きいようである。
一方でマザーズ指数の強い動きにみられるように、個人主体による中小型株への物色は根強い。物色対象は変化しつつも、強いトレンドを形成している銘柄は多く、一旦大きく調整したとしても速い段階で切り返しをみせており、需給状況の良好さが窺える。
今週は軟調展開となった。
4-6月期GDP速報値の大幅悪化を受けて日経平均は週初から大幅下落。
20日にはまとまった売りに押されて2万3000円を大きく割り込んだ。翌21日は米国株高を好感した買いが入ったものの、2万3000円より上は重かった。
円安一服でハイテク株が弱かった一方、大型株の手掛けづらさが意識される中で資金は新興市場に向かい、マザーズ指数が8%超の上昇と騰勢を強めた。
日経平均は週間では369円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
さて来週は、底堅い展開を予想する。
週後半の27日~28日にかけてジャクソンホール会合が開催されることもあり、全体的に売りを出しづらい地合いになるとみる。
米国株の堅調が強い下支えになるだろう。米国では8月消費者信頼感指数や7月新築住宅販売、7月耐久財受注など注目の指標がいくつかあり、これらが米国株の買いを促すようであれば、日本株も「閑散に売りなし」で上を試す展開も期待できる。
東証マザーズ指数は、18年6月以来、2年2カ月ぶりの高値水準で活況となっている。日経ジャスダック平均は今年1月の高値を抜けていないが、これは東証マザーズがIT・バイオ系銘柄を中心に構成されており、コロナ禍の環境に強いためだろう。米国のナスダック指数が、史上最高値を更新しているが、マザーズ指数も一段の上昇余地はありそうだ。
■上値・下値テクニカル・ポイント(21日現在)
23756.24 ボリンジャー:+3σ(25日)
23718.88 ボリンジャー:+3σ(13週)
23408.29 ボリンジャー:+2σ(25日)
23308.30 ボリンジャー:+2σ(13週)
23060.34 ボリンジャー:+1σ(25日)
23058.12 6日移動平均線
22920.30 ★日経平均株価21日終値
22917.93 均衡表転換線(日足)
22897.72 ボリンジャー:+1σ(13週)
22758.70 ボリンジャー:+1σ(26週)
22712.39 25日移動平均線
22524.40 均衡表転換線(週足)
22524.40 均衡表基準線(日足)
22487.15 13週移動平均線
22425.62 均衡表雲上限(週足)
22393.13 均衡表雲上限(日足)
22364.44 ボリンジャー:-1σ(25日)
22305.48 新値三本足陰転値
ローソク足は陰線を引き、終値は4日連続で5日線を下回った。ローソク足は上ヒゲを伴う陰線を引き、上値の重さを再確認した格好。ボリンジャーバンド(25日ベース)では本日も終値が+1σ下にとどまり、中心線側への下落リスクを残して週末を迎えた。
ただ、ザラ場安値は昨日安値を上回り、日足の一目均衡表では転換線が上向いて短期的な買い圧力の増大が窺えるため、強弱が相殺されている。
東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は本日大引けで中立圏中央の100.45に位置して短期的には売り方も買い方も攻めにくく、もみ合い相場の延長が予想される。
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