期待と挑戦

週明けのNY株式市場は続伸。
主要3指数が連日で過去最高値を更新した。
税制改革法案が週内にも上下両院で可決される見通しを好感。
法人税減税を好感した買いが続いた。
「海外株の上昇も投資家心理の改善につながった」という反射鏡のようなコメントも見られる。
法人税減税の恩恵を受けやすいとされる金融や小売り関連といった内需関連に銘柄に資金が向かった格好だ。
NYダウの上昇寄与度は建機大手キャタピラーが21ドル。
ゴールドマンが19ドル。
分割後高値を更新したアップルが16ドル。
インテルなど半導体関連が上昇。
アップルやアルファベット(グーグル)など大型ハイテクセクターも買い物優勢の展開。
ツイッター、アマゾンも上昇。
ハイテク株比率が高いNASDAQ総合株価指数は一時7000ポイントを初めて上回った。
4月25日に6000ポイントの大台に乗せて以来の大台変わりを迎えたことになる。
ちなみに4月25日から12月15日までの騰落率。
半導体大手のエヌビディアが86.8%高。
同業のマイクロン・テクノロジーが57.1%高。
アマゾン(29.9%高)、マイクロソフト(27.9%高)、フェイスブック(23.0%高)。
時価総額の大きいネット関連株も上昇上位。
原油先物価格はナイジェリアで行われていたストライキが中断されると報じられ3日ぶりに反落。
金は4日続伸。
10年国債は売りが優勢で午後に下げ幅を拡大。
為替はユーロが対ドル、対円で上昇。
税制改革で注目されるのはレパトリ。
海外子会社から配当を受け取る時の税率は35%。
大企業の多くが課税を回避するため約290兆円の資金を海外に置いている。
最も多いのがアップルで約27兆円、次がマイクロソフトで約14.8兆円。
税率が低いプエルトリコ、アイルランド、シンガポールなどに滞留させているという。
トランプ大統領が希望する「レパトリ税」は10%程度への引き下げ。
共和党の最終案では、現金への税率が15.5%だ。
「海外にあるアメリカ企業の資金のほとんどは米国債とすればレパトリは米国債売りにつながる。
利回り上昇→米ドル高につながる可能性がどう決着するかがビッグサンタへの期待感となろうか。
 
月曜日は5日ぶりの急反発で2週連続の上昇。
やはり基本は「上げ4日、下げ4日」のリズムなのだろう。
日経平均は4日間で合計485円下落。
348円高で戻り率は71.8%%だった。
大型株優位の地合いとなりTOPIXは終値ベースで年初来高値を更新。
1991年11月14日以来26年1か月ぶりの水準まで浮上した。
トヨタ、三菱UFJ、ソニーがTOPIXの上昇寄与度ベスト3というのは自然体という印象だ。
一方、マザーズ指数は逆行安となった。
日経平均は23000円を巡る攻防に期待感が醸成された。
直近で何度か23000円を目前にして跳ね返されていたのが現実。
「あっさり上回ってくれば、買いが買いを呼ぶ展開も想定される。
11月9日の高値23382円を上回って一段高となるシナリオが現実味を帯びてくる」という声も聞こえる。
25日線からのかい離はプラス1.5%。
サイコロは5勝7敗で41.7%。
空売比率は35.5%(前日39.4%)まで低下した。
日経平均採用銘柄のPERは15.06倍でEPSは1520.70円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲16.130%(前日▲15.030%)。
11月2日の▲15.855%を上回り今年最悪水準を更新。
買い方は▲3.028%(前日▲3.529%)と悪くない。
シカゴ225先物終値は日中比80円高の22960円。
現物ではほぼ23000円水準だ。
12月11日の高値は22988円。
これを上抜いて23000円挑戦から上値狙いに期待という火曜日だ。
 

(兜町カタリスト櫻井)

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