NY株式市場は消費者関連セクターやハイテク関連セクターの好調な決算を受けて上昇。
10月月間でプラスで終了し、主要3指数は2月以来の大幅上昇となった。
アップルは1.4%高で過去最高値を更新。
「大手企業の決算は好印象。
第4四半期の見通しがさらに強気なものになっている」という見方だ。
FRB次期議長にパウエル氏の可能性が高まったことも追い風。
CB消費者信頼感指数が125.9と2000年12月以来約17年ぶりの高水準。
シカゴ地区購買部協会景気指数も2011年3月以来の高水準。
ただ10年債利回りは2.37%とほぼ横ばい。
開催中のFOMCではFRBは政策金利を据え置くとの見方。
12月の利上げ実施に向けた方向性が注目点だ。
共和党議員が減税法案を提出する可能性も注目されている。
11月3日の雇用統計の発表を控え積極的な動きには出にくい環境。
もっとも日銀金融政策決定会合では緩和政策維持を決定。
2017年度の物価見通しを引き下げたことを背景にドル円はやや円安トレンドだ。
火曜は前日比171円安でスタート。
大引けは6銭安。
一時プラスになる場面もあったが、それでも良く戻したという印象だった。
日銀のETF買いへの期待もあっただろう。
「月の初日が高いのは昨年7月以降16ヶ月連続」。
このアノマリーの連想からの月末買いというのがあったのかも知れない。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1073。
値下がり864だから感覚はプラスでも間違いないだろう。
ただ形式上は4日ぶりのマイナス。
10月の日経平均が下げたのは31日と97円安となった25日だけ。
19勝2敗で通過した。
月間19勝というのは週休2日制になった89年2月以降で最多という良好な成績。
勝率も15年5月の88.9%(16勝2敗)を上回り90.5%と過去最高だった。
月間の上昇幅は1655円35銭(8.1%)。
15年10月の1694円95銭(9.7%%)に次ぐ記録となった。
25日線(21117円)からの乖離はプラス4.2%(前日プラス4.6%)まで低下。
騰落レシオは125.33%。
サイコロも10勝2敗で83.3%となった。
空売り比率が39.7%(前日44.0%)と40%割れとなったのは好感されよう。
日経平均採用銘柄のPERは15.24倍でEPSは1444.33円と記録を更新している。
日経朝刊では「上昇企業7割が増益」の見出し。
肌感覚で利益の増加が感じられる水準だ。
特にソニーの20年ぶりの最高益更新などが目につこう。
2003年春の「ソニーショック」などは昔日の面影と化してきた。
むしろ「逆ソニーショック」に期待する声も登場している。
10月27日現在の信用買い残は4週ぶりに増加し219億円増の2兆5948億円。
信用売残は348億円増加の1兆1019億円。
信用倍率は2.35倍(今年1月が2.27倍→4月3.13倍)。
16年2月に5.22倍→2016年12月に2.13倍だったことなども過去の話。
ただそろそろ好取組も限界水準だろうか。
あるいは元旦の日経朝刊のトップ見出しのように「当たり前はもうない」となるのだろうか。
「日本株の下げない相場」を演出している日銀の存在感の大きさを指摘する声もある。
17年累計の日銀によるETF購入額は、設備・人材支援型を含め4兆7132億円。
年間約6兆円ペースとする日銀の買い入れ額は17年末までの残り2カ月間で約1.3兆円の買い余力がある。
225先物大証夜間取引終値は日中比260円高の22210円。
一気に22200円台だ。
200日線(19732円)からの乖離はプラス11.63%と拡大。
「勝手雲」は、ぶっちぎりの右肩上がり。
ボリンジャーのプラス2σの22275円が蓋となるかどうかが課題だ。
プラス1σの21696円は依然としてサポートだろう。
「月の初日は株高」のアノマリーは17ヶ月連続の可能性大の日。
日経朝刊マーケット面では「株、先高予想広がる」。
どれだけ広がったのかと思えば中心はせいぜい年末23000円レベル。
平均すれば22500円レベルだ。
ここから300円程度の上昇が「株高」というのも変な感じだが高いことは高い。
年度末に25000円というのが突出している。
5ヶ月で3000円の上昇だからこれくらいの気合は欲しいもの。
日銀がETFの購入枠6兆円を使い切れば日経平均は500円上がるという試算もチマチマしている。
興味深いのは「年内に22800円まで上昇後に来年3月末にお2万円に下落」というシナリオ。
根拠は不明だが、22800円まで行けば弾みで23000円は達成しよう。
そもそもほとんどバブル崩壊後の半値戻りを達成すれば風景は変わるだろう。
来年3月に2万円という根拠も聞いてみたいが下落の根拠などやまほど出て来るのだろう。
不思議なのは、こういう見通しが多いこと。
簡単に言えば「長期上昇基調だが短期調整はある」。
あるいは「長期下落基調だが短期リバウンドはある」。
こういう小刻みな時間軸でのシナリオは間違ってもケガはしない。
でももっと大局観とか壮大な時間軸で相場を考えることの方が重要ではなかろうか。
NYダウは28ドル高の23377ドルと反発。
NASDAQは28ポイント高の6727ポイント。
S&P500は2ポイント高の2575ポイント。
ダウ輸送株指数は44ポイント安の9758ポイント。
3市場の売買高は68億株。
CME円建ては大証比260円高の22210円。
ドル建ては大証比275ポイント高の22225ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比260円高の22210円。
ドル円は113.67円。
10年国債利回りは2.376%。
非公式外資系5社動向は売り680万株、買い850万株。
金額ベースは37億円の売り越し(4日連続)。
売りは自動車・食品・証券・保険・サービスセクターなど。
買いは食品・石油・小売・機械・REIT・電機・陸運セクターなど。
売買交錯は銀行・化学セクターなど。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
ロコンド(5558)・・・動兆。
ロコンドに注目する。
同社は靴やアパレル等の通販サイトを運営。
ECサイト支援などBtoBサービスが拡大基調。
倉庫増加に期待感。
リバウンド期待。
(兜町カタリスト櫻井)
