「パウエル試し」なのか「パウエルいじめ」なのかどうか。
いずれにしても8年4ヶ月も景気拡大を続けている米国。
あと2年で「過去150年間で最長の拡大」まできている。
これが現実で舵取りは誰でも難しい。
「パウエル氏は株式市場のクラッシュや金利の急騰、ドル急上昇を見たくない」とこの声。
これは当然だろう。
だからこそ登場したのが「パウエル・プット」。
FRBが金融緩和策という形で市場に対して助け船を出して相場を支えてくれるだろうという期待や安心感。
これが下落リスクを軽減するプット・オプションと同じような役割を果たすという思考法だ。
そういえば2月初めの下落の際は1週間で110億ドル分のMBSを買い入れていた。
一方で市場は「テーパー・タントラム(市場の癇癪現象)」も気にしている。
「テーパリング(Tapering)」と、かんしゃくを意味する「Temper tantrum(テンパータントラム)」を組み合わせた造語。
2013年5月にFRBによる異例の量的緩和縮小示唆から国際金融市場に大きな波乱を巻き起こした際に作られた。
また「マエストロ・グリーンスパン氏」とのデジャブも指摘される。
マエストロ(巨匠)と呼ばれたグリーンスパン氏。
FRB議長就任直後にブラックマンデーに遭遇。
株価重視の金融政策に傾斜しリーマンショックの遠因をつくったと今では言われる。
親グリーンスパン、反グリーンスパンのどちらを選択するのかは結構難しい。
そう言えば・・・。
「世界経済が同時に拡大した」という環境は、景気循環の3つの段階。
(1)景気後退後の最初の回復期
(2)次の景気後退期の直前
(3)何らかの金融危機の前
この(3)でないことを願うばかりという向きも多いことだろう。
日本株を売り子してきた海外経由の投資家。
短期的投資家のウリの6割は日経平均だという。
その買い戻し規模は1.5兆円との指摘。
「半値戻し(22600円)になると買い戻しを急ぐ投資家心理は一緒」。
そこが壁となっているのだが・・・。
パウエル発言でNYダウは前日の上昇幅以上には下げていなかった。
耐久財受注は3.7%減と市場予想を下回ったが見えないフリ。
寄り前発表の鉱工業生産は99.5で6.6%の低下。
低下は4ヵ月ぶりで基調判断は「持ち直している」→「緩やかな持ち直し」に変更。
中国の製造業PMIは50.3で着地。
1月から0.1ポイント低下し1年7ヵ月ぶりの低水準。
ただ「50」は19カ月連続で上回った。
誤差の範囲ながら日銀は残存25年超の長期国債の買い入れ予定額を100億円減らし700億円にした。
細かな悪材料で4日ぶりの反落といったところ。
明日が「21か月連続の初日株高」ならば、格好の押し目と言えるのかも知れない。
(櫻井)。
