新興市場見通し

今週の新興市場では、日経平均の続伸劇が週後半まで続くなか個人投資家心理も改善し、マザーズ指数は週間ベースで続伸。米5月雇用統計の結果を受けた米長期金利の上昇が警戒されたが、金利上昇幅が限定的だったことやナスダック総合指数の底堅さが続いたことで、新興株も堅調推移が続いた。
週末の6月限先物取引に係る特別清算指数(SQ)算出を前にした買い戻しも背景にあったとみられる。

週間の騰落率は、日経平均が+0.23%であったのに対して、マザーズ指数は+2.50%、東証グロース市場指数は+2.60%だった。
 
 
来週の新興市場では、マザーズ指数の下落が予想される。
今週末に発表された米5月消費者物価指数(CPI)の伸びは前年比と前月比で揃って予想を大幅に上回り、前月からも大きく加速した。また、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数でも前年比と前月比で揃って予想を上回った。3月でインフレはピークアウトしたとの期待はほとんど打ち消されており、週末の米株市場では主要株価3指数が揃って大幅に続落している。

投資家心理が急速に悪化するなか、マザーズ指数も週初から下落を余儀なくされるだろう。14~15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、政策金利見通しも公表される。CPIの結果を受け、タカ派な結果が警戒されているため、押し目買いも期待しにくい。インフレのピークアウトが見通せないなか、FOMCイベント通過後もあく抜け感は高まりづらく、安易な押し目買いは避けた方が無難だろう。

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