新興市場見通し

 
今週の新興市場では、マザーズ指数が5週ぶりに大きく反発し、1000ポイント台を回復して取引を終えた。今週はIPOラッシュの様相を呈し、全体の件数もさることながら、公開規模の比較的大きい案件が多かった。全般に厳しい出足を強いられた印象が強いが、ひとまず公開株の購入に充てられていた資金が市場に還流したことなどが新興株の持ち直しにつながったとみられる。
また、海外勢のクリスマス休暇で東証1部の売買が減り、個人投資家の物色の矛先が新興株に向いたほか、11月後半以降の調整がきつかった銘柄に売り一服感が出てきたのも大きいだろう。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+4.1%、日経ジャスダック平均は-0.2%だった。
 
来週・再来週の新興市場では、新年相場におけるマザーズの躍進に期待したい。11月後半から人気銘柄の相次ぐ急落による損失覚悟の売り、IPOラッシュに向けた資金確保の売りなどがマザーズ指数を大きく押し下げた。
ただ、売りには一服感が出てきて、IPOラッシュ通過により投資資金も還流してきた。さらに、12月28日の権利付最終売買日を通過すれば年末特有の損出し売りも一巡する。年末年始は個人投資家が取引主体となって新興株に関心が向きやすいだろうし、ここ1カ月ほどの株価下落で値ごろ感の出てきたマザーズ銘柄も多いだろう。

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