今週の新興市場では、米長期金利の動向等に振らされつつも、マザーズ指数、日経ジャスダック平均とも週間でプラスを確保した。米国では連邦公開市場委員会(FOMC)の前後に長期金利の上昇が一服し、ハイテク株が買われる場面があった。
東京株式市場でもグロース(成長)株の買い安心感につながり、新興株中心のマザーズ市場に追い風が吹いた。ただ、週末にかけて米長期金利が再度上昇すると、マザーズ指数は反落した。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.2%であったのに対して、マザーズ指数は+1.9%、日経ジャスダック平均は+2.1%だった。マザーズ指数は1200pt台に位置する25日移動平均線、75日移動平均線を上回った。
来週の新興市場では、米長期金利の上昇が続くなどなお外部環境に不安はあるものの、米ハイテク株の押し目買いムードなどを支えにしっかりした展開を期待したい。
米国では個人向け現金給付開始がハイテク株の下支えとなりそうだ。日本では3月期末を前に主力株の需給改善が意識されそうな局面だが、出遅れ感では新興株にも手掛けやすさはある。
マザーズ指数は3月中旬から上昇基調に入り、約100ポイント上昇。それでも1月、2月の高値に届いておらず、トレンド自体は明確に上方に向いているわけではない。上値を追うTOPIX、3万円近辺で推移する日経平均に比べた戻りの遅さ、水準の低さが目立っている。来週は東証1部市場に一服感が台頭する可能性はあるものの、新年度入りを目前に控えてニューマネー流入への期待感は膨らんでいる。あまり大きな下げはみなくていいだろう。
東京市場を底上げする原動力が海外マネーということもあり、新興市場の感応度は高くないが、投資家心理の改善には大きな影響を受けている。個人投資家の信用取引成績の改善は新興市場上場銘柄への参戦意欲に直結するだけに、来週も買い妙味はありそう。
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