新興市場展望

今週の新興市場は反落。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を前に神経質になるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からのタカ派発言もあり、米10年債利回りが週初から3%を超えて上昇。週半ばにかけて3.1%と2カ月ぶりの水準まで上昇するなか、週前半を中心に新興株も米ナスダック総合指数の大幅続落を受けて売りが先行した。
ただ、パウエルFRB議長の講演内容はサプライズなしと見込む向きも多く、大幅な下落は週初に限られ、週後半の3日間は上昇するなど底堅い動きとなった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.00%であったのに対して、マザーズ指数は-0.62%、東証グロース市場指数は-0.63%だった。
 
来週の新興市場は軟調展開か。
金融引き締めが改めて警戒されるなか、週明けから売りが広がりそうだ。無風通過ないしは7月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見と同様に、利下げペースの減速を示唆するハト派寄りの見解が想定されていたジャクソンホール会議でのパウエル氏の講演は想定を超えるタカ派な内容となった。
パウエル氏は、物価安定のために短期的には企業や家計に痛みが伴うことは致し方ないとし、長期的な経済繁栄のために景気を犠牲にしてでもインフレ抑制を最優先とする決意を示した。
景気に配慮して来年半ばには利下げに転じると見ていた投資家が多かったが、こうした期待は完全に消失したといえる。

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