新興市場の展望

今週の新興市場では、日経平均株価が2週連続の下落となるなか、マザーズ指数はほぼ横ばい(若干ながら4週ぶりの下落)で終えた。
 
マザーズ指数は目先の調整で3月1日の戻り高値776ポイントを下回らずに反発。4日から算出の始まったグロースcore指数は7日に初めて基準値1000ポイントを下回ったが、すぐに反発した。昨年のIPO銘柄など、年初から大幅な調整を経て戻り足を加速させている。投資家の下値買い意欲は強まってきている。
 
4月4日から東証新市場「グロース」がスタートし、週前半は新興グロース(成長)株物色が続いた。しかし、米国で連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や金融当局の要人発言から急速な金融引き締めが意識され、長期金利の上昇とともにハイテク株が下落。日本でも日経平均が大幅に下落し、これにつれてマザーズ指数は失速する格好となった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.5%であったのに対して、マザーズ指数は-0.0%だった。
 
来週の新興市場では、早くも株価トレンドが悪化方向に傾くことを想定しておく必要がありそうだ。今週末の米国市場でも金利水準が一段と上昇するとともに、ナスダック総合指数が1%超下落した。
将来収益に基づき株価形成される新興グロース株にとって、長期の年限を中心とした金利の上昇は逆風となるだろう。世界的な物価高や金融当局の要人のタカ派的な発言が相次ぎ伝わっており、金利の上昇圧力は弱まりそうにない。日本でも今週後半から東証グロース市場の売買代金が減少しだしており、米金利上昇に個人投資家が警戒感を強めていることが窺える。
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次