手控えムードか

 
12日の日経平均は大幅続落。前日比856円安の1万8559円で、2017年4月20日以来、2年11カ月ぶりの安値となった。下げ幅は今年2番目の規模。
取引時間中のトランプ大統領テレビ演説で、欧州からの渡航者を30日間制限すると何の調整もなく発表したことが急落の要因となった。市場ではこの状況下で経済対策に何の言及もなかったことから本日の下げをトランプショックと呼ぶ向きもある。
 
昨日の米国市場は期待された米政府の経済対策が期待外れに終わったことからダウ平均は1000ドル超えの大幅反落となった。2月の最高値からの下落率は2割を超えて弱気相場入りしている。WHOはこの日パンデミックを表明。今さらなので直接響かなかったが米国内での感染拡大が急でこれが市場を一段と圧迫した。世界には金融不安の兆候もありリスクオフの動きはまだ続きそうだ。
 
13日の日経平均株価は、手控えムードが広がりそう。
欧米で新型肺炎のまん延が警戒されるなか、トランプ米大統領は、英国を除く欧州各国から米国への渡航を30日間停止すると表明。経済への影響が懸念され、積極的な売買は期待しづらい。引き続き、新型肺炎関連のニュースや、海外市場動向に影響を受けやすい展開が見込まれる。日経平均株価のボラティリティ指数が51.48ポイントと、11年3月17日(67.68)以来、9年ぶりの水準まで上昇。市場では「変動が大きく積極的な売買は期待しづらい」
との声が聞かれた。
 
今晩ECB理事会、来週17~18日にFOMC、18~19日に日銀金融政策決定会合が控えている。さすがに先進国の中央銀行が三段構えで臨めば、グローバル株式市場もいったんは反転に向かうと考える。
あすはメジャーSQ日で、この近辺で相場の潮目が変化する可能性もある。
今晩ECB理事会が放つ一の矢に関しては折られてしまうかもしれない。ただ、翌週を鑑みると、明日下に突っ込むような場面があるようなら、打診買いを検討したい局面だろう。
 

■テクニカル・ポイント(12日現在)
 
20749.75  新値三本足陽転値
20574.85  ボリンジャー:-1σ(25日)
20311.96  ボリンジャー:-2σ(26週)
20029.53  均衡表転換線(日足)
19936.74  6日移動平均線
19670.54  ボリンジャー:-2σ(13週)
19056.79  ボリンジャー:-3σ(26週)
18976.20  ボリンジャー:-2σ(25日)
 
18559.63  ★日経平均株価12日終値
 
18060.05  ボリンジャー:-3σ(13週)
17377.55  ボリンジャー:-3σ(25日)
 
ローソク足は下ヒゲを出したがマドを空けて胴体部分の長い陰線で終了し、強い売り圧力を再確認した。ともに下向きの25日線が200日線に上から接近してデッドクロス形成が迫ってきた。
一目均衡表では基準線と転換線が下降し、ボリンジャーバンドでは終値が-2σを下回ったこともあり、下値拡張局面の長期化リスクが増している。
騰落レシオやRSIは極端な「売られ過ぎ」ゾーンに滞留しているが、パラボリックの陽転値は2万1000円以上と本日終値を大幅に上回っており、トレンド転換の兆候は窺えなかった。
 

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