戒めは雑な銘柄選択

NY株式市場は反発。
NYダウは167ドル高と過去1カ月最大の上昇幅となり史上最高値を更新。
S&P500とNASDAQは小幅に上昇。
化学の3Mや建機のキャタピラーなどの決算や業績見通しが予想を上回ったことを好感。
買い物優勢の展開となった。
もっともFRBの次期議長人事については課題。
共和党上院議員らはスタンフォード大学のテイラー氏への支持が多かった可能性があるとの見方。
これを受けて株価は終盤に上昇幅を縮小した。
テイラー氏が就任すれば、金融引き締めを加速するとみられている。
一方で国債利回りは一段と上昇。
30年債利回りは3カ月ぶり、2年債利回りは9年ぶりの水準まで上昇した(価格は低下)。
ドル円はほぼ横ばいの展開。
「壮大な世界株高の背景にあるのはサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの株式新規公開。
2018年にニューヨーク、ロンドン、東京、香港など国外市場にも上場予定。
そのための地ならしの可能性」という声も聞こえる。
 
 
火曜の日経平均は16連騰。
NY株が7日ぶり反落、ドルが113円台前半から続伸は無理という見方が支配的だったが結局高値引け。
1996年7月11日以来、約21年3カ月ぶりの高値水準を回復した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1510銘柄、値下がり440銘柄と買い優勢の展開。
「高値警戒感や材料難を背景としたNY株の下げに関しては、比較的強い反応。
一向に押さない地合いを見て諦めた売り方の一部が撤退を始めたようだ」という指摘がある。
TOPIXは12日続伸となった。
「売り方が作る上昇相場。
どこで連騰記録が止まるか、一向にわからなくなってくる。
売り方撤退のストーリーはまだ2合目あたり」と言う声も聞こえる。
日経レバ(1570)の日証金ベースの信用売り残は133万株。
昨年10月31日以来の高水準で増加継続。
買い残は32万株で貸借倍率は0.24倍と売り方は厳しい。
連日1株当たり50円前後の逆日歩までついている。
10月20日時点の信用買い残は2兆5728億円と6月30日以来の低水準。
売り残は3週連続の増加で1兆670億円。
4月17日の安値期日を通過しても壮大な踏み上げの期待は残っている。
225先物大証夜間取引終値は日中比90円高の21900円。
ドル建て日経平均も191.81と年初来高値水準だ。
25日線(20804円)からの乖離はプラス4.8%(前日プラス4.7%)
200日移動平均線からの乖離は金曜がプラス9.22%。
月曜がプラス10.37%、火曜がプラス10.86%。
月曜の窓あけは当然の上昇加速だったということもできよう。
騰落レシオは128.01%とほぼ横ばい。
サイコロは100%のままだ。松井証券信用評価損益率速報で売り方▲13.988%。
買い方は▲2.563%。
格差は拡大してきている。
一目均衡の雲は明日から白いねじれの地帯。
勝手雲は9月26日からズーと白いままだ。
気にかかるのは東証1部時価総額が657兆円と駆け上がったことくらいだ。
ボリンジャ-バンドのプラス2σは21776円と上回っている。
歴史的水準のプラス3σ22262円に挑戦という可能性もあろうか。
まずは17日連騰の成就に期待の日。
 
アベノミクススタート以降、総選挙は2回。
2012年12月の総選挙後、日経平均は3ヶ月で29%上昇。
2014年12月の総選挙後、日経平均は3ヶ月で11%上昇。
今回の総選挙後に日経平均が上昇すると仮定すると、23823円。
96年高値(22666円)や92年高値(23801円)を超える。
計算はいくらでもできるから良い。
因みに大和証券調べでは過去10回の選挙以降の相場展開。
1ヶ月後は海外投資家が6回売り越し。
2ヶ月後は8回買い越し。
3ヶ月後は10回すべて買い越し。
となると、来年1月は株高期待となってくる。
開票直後の23日の日経平均の上昇率は1.11%上昇。
過去10回では05年の郵政解散選挙直後の1.61%に次ぐ上昇率だった。
悪くない記録となった。
86年、90年、93年、96年、00年、03年そして09年は3ヶ月後の日経平均はマイナス。
一方14年は3ヶ月後に10.84%上昇。
12年は同28.99%上昇。
05年は同21.37%上昇だった。
 
株価の上昇局面で注意することは「雑な銘柄選択」を避けること。
株価が上がってくると心理に余裕ができるからか、結構「雑な」行動や選択が登場してくるもの。
「まあ、いいか」とか「これだけ儲かったから博打的に」なんていう心理こそ戒めなければならない。
バブル崩壊後に手元に残った株の多くはこういう心理の産物だったハズだ。
だから必要なのは「丁寧な銘柄選択」。
緻密な「相場予測」だ。
萎縮する必要はないが「いい加減」とか「適当な」とかいう行動を避けるべき局面でもある。
そもそも・・・。
この上場局面で「何連勝した」とか「2倍、3倍、10倍になった」と言う市場関係者を見かけないこと。
こういう輩が登場すると、あるいはにわか株式市場関係者が登場すると警戒する必要があるかも知れない。
一つのサインとなり得る気がする。
 
NYダウは167ドル高の23441ドルと反発し史上最高値更新。
NASDAQは11ポイント高の6598ポイントと反発。
S&P500は4ポイント高の2569ポイントと反発。
ダウ輸送株指数は12ポイント高の9951ポイント。
3市場の売買高は62億株。
CME円建ては大証比95円高の21905円。
ドル建ては大証比120ポイント高の21930ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比90円高の21900円。
ドル円は113.68円。
10年国債利回りは2.406%。
非公式外資系5社動向は売り1000万株、買い1280万株。
金額ベースは1億円の買い越し(2日ぶり)。
売りは銀行・証券・保険・ゴムセクターなど。
買いはサービス・精密・小売・REIT・通信セクターなど。
売買交錯は電機・機械セクターなど。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
朝日ラバー(5162)・・・動兆
 
朝日ラバーに注目する。
同社はゴムという無限の可能性を持った材料と機能を事業の根幹に据えている。
自動車内装照明向けLED用ゴム、家電用高精密、医療、スポーツ用ゴム等が中核。
RFIDタグ製品に期待感。
導電性ゴム使用のシャツ型端末も開発中。
卓球用ラバーも忘れてはいけない。
弾性無限への挑戦だ。

(兜町カタリスト櫻井)

株ちゃんofficial xはこちら!
目次