NY株式市場は続落。
S&P50050日移動平均を米大統領選以降初めて割り込んだ。
- シリアの空軍基地攻撃や朝鮮半島近海に空母カールビンソンを派遣するなど
地政学リスクの高まりを嫌気しての売り物との解釈。
もっともこのせいで減税・規制緩和・インフラ整備などトランプノミクスが遅れることへの懸念も大きい。
金先物価格、VIX(恐怖)指数も上昇した。
債券市場ではトランプ米大統領の「低金利政策を好む」との発言を背景に国債利回りが低下。
WSJのインタビュー。
「ドルが強くなり過ぎている。
これは人々が私を信頼しているためで、私のせいでもある。
だが、結果的には打撃となる。
また為替報告書では「中国を為替操作国には認定しない」と見解を変えた。
「北朝鮮問題への対応を巡り進めている中国との協議を損なうためだろう」との説明。
イエレンFRB議長についても「
尊敬している。2018年でおしまいになった訳ではない」と評価を180度転換。
これらの揺れ動きが地政学リスク以上に市場インパクトを与えていると考えられなくはない。続落した日経平均。
直近安値を下回り下値模索が続いている。
東証1部の騰落レシオは76.2%と昨年2月19日の76.2%以来の水準まで低下。
「あと一息の下落で底打ち」という小数意見も聞こえる。
もっとも26週移動平均(18798円)ははるか上。
病んだ市場の綻びを繕うには多少の時間が必要ではある。
「巨大な陽線」か「強烈な陰線」が反発の条件なのだろうが、市場はそれに反して中途半端な下落継続。
ココが一番悪いところだ。
「地政学リスクの高まりで安全資産の円志向」という解釈が横行している違和感
これを緩和してくれそうなのがWSJでのトランプ大統領の発言。
「ドルが強くなりすぎている」。
そして「低金利政策希望」。
日米金利差が拡大しなければ、そしてドル高批判が登場するならば、
円安には行く筈がなく、ドル安だろうという嗅覚。
これはシリアや北朝鮮の問題とは関係ない。
しかも日米経済対話の事前協議では「二国間の貿易交渉を要求してきた」との報道。
対日貿易赤字削減が要請されるなら、自動車などの軟調も仕方のないところだろう。
「外国人投資家の資金流入はないにしてもリバランスを行っている可能性」という指摘もある。
確かに今年最も下げている不動産セクターは下げ渋り、建設・通信セクターなど内需系は比較的底堅い。
225先物大証夜間取引終値は日中比60円安の18470円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲7.752%、買い方▲10.715%と大きくかい離。
裁定買い残は130億円減少し1兆7153億円。
裁定売り残は403億円増加の2422億円と3週連続で増加。
空売り比率は41.7%と高どまり。
東芝の第3四半期決算発表の影響か日経平均採用銘柄のEPSは1189円まで低下(前日1226円)。
PERは15.6倍まで上昇。
悪い形での上昇となった。
ボリンジャーのマイナス2σは18460円。
昨日ヒゲでとどまった水準。
25日線(19133円)からのかい離はマイナス3.04%。
マイナス4%で18367円、マイナス5%で18176円。
ここまで行けばフツーは反発水準となる。
もっとも地政学リスクよりもトランプ意向を忖度した円高という味方は納得できるところ。
意外とスッキリ感がでるかも知れない。時としておかしなことが起こるのが市場。
10年国債利回りが0.04%→0.02%まで低下。
米10年国債利回りも2.4%台→2.2%台まで低下。
日本の低下は0.02%、米国の低下は02%。
日米金利差は2.36%→2.18%と縮小しているのにドル円は110円台→一時108円台。
もちろんドル円相場は金利差だけで動いてはいないが、不自然な円高と言えなくはない。
「投機筋の持ち高整理に伴うドル売り円買い」という解釈はもっともらしく聞こえる。
でも真実を確かめた訳ではなかろう。
「様子見」なのか「押し目買いなのか」。
この分岐点を今迎えているということだろうか。
ブレグジットで下落した東京市場。
トランプ当選で下落した東京市場。
世界の反対の動きが東京市場の常識ならば、なんとなく納得できるが・・・。
値下がり銘柄数1722、新安値487。
これは越えない日であって欲しいところ。
「地政学リスク」を「知性がリスク」と読み替えた達人もいる。今年の日銀ETF買いは26回。
そのうち前場終値よりも高い大引けは17回。
確率65%。
結構効いている。◇━━━ カタリスト ━━━◇
ミマキエンジ(6638)・・・動兆
ミマキエンジニアリングに注目する。
同社は広告・看板向けインクジェットプリンタ大手。
インクなど消耗品は拡大基調でグローバル化。
PER13倍台、PBR1.15倍。(兜町カタリスト櫻井)
