感謝祭前のNY株式市場はマチマチの動き。
NYダウとSP500は反落。
NASDAQは続伸した。
ネット中立性の原則の撤廃案を好感して通信セクターが上昇。
原油高を受けエネルギーセクターも堅調だった。
FRB議事録では「多くが金利を近い将来に引き上げる必要がある」との見方だったが反応薄。
12月の利上げ確率は92%。
「感謝祭の祝日を控え取引を早々に手仕舞った市場参加者が多かった」という声が聞こえる。
3市場の売買高は約51.8億株。
直近20営業日の平均である66.6億株を下回った。
昨年の感謝祭の祝日前の出来高は65.1億株だった。
10月の耐久財受注統計は、コア資本財(非国防資本財から航空機を除く)受注が前月比0.5%減。
4カ月ぶりにマイナスに転じ、2016年9月以来の大幅な落ち込み。
これを受けて債券利回りが一時低下する場面があった。
FOMC議事録で政策担当者が12月の利上げの是非に疑問を呈し始めている可能性があることも示唆されたことからドルは下落。
ドル/円は111円台と1%超の下となり9月下旬以来の安値を更新。
1日の下げとしては5月以来の大きさとなった。
勤労感謝の日の休場を控えた水曜の日経平均は前場22600円台。
しかし結局17日のザラバ高値を抜けなかった。
終値ではSQ値22531円を抜けず。
「続伸したものの後場の安値圏で引けて2日連続の陰線。
感謝祭前の上昇特異日というアノマリーだけが残った」という声が聞こえる。
「不安定ではあるものの、連日で5日線を上回って終えた。
月足は陽線。上昇トレンド回帰の可能性も高まっている」という少数意見も見られる。
25日線からのかい離はプラス1.5%。
騰落レシオは108.22%。
サイコロは5勝7敗で41.7%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲15.761%。
買い方は▲2.544%。
11月17日時点の裁定買い残は2兆6475億円。
前週比1771億円減(5週ぶり減少)。
売り残は3293億円で前週比597億円減少(4週ぶり減少)。
空売り比率は40.1%とまた40%台に乗せた。
シカゴ225先物終値は日中比180円安の22400円。
ドル円の111円台が嫌気された格好。
感謝祭前後の株価は高いというアノマリーを素直に展開できるかどうかは微妙な飛び石の週末。
株主手帳2017年1月号の「株主手帳」に書いた「2017年の相場展望」。
見出しは「矛盾の先に光明あり」。
日経平均の高値22300円~安値18000円。
景気・経済見通しは「世界的リスクオフの時代は去った。
丁酉の年は2年ぶりに増益となる企業業績見通しを背景にGDP、東証時価総額ともに拡大路線。
IoA・ロボット・AIそしてビッグデータなどの国策を中心に新常態の時が到来しよう。
金融経済から実態経済への移行を予想する」。
2017年の日本市場見通は「トランプ政権の目標はレーガノミクス。
インフラ整備に軍事費拡大、大型減税だけでなく高金利ドル高の動きはマーケットにプラス。
当然ネオコン関連も浮上しようがITやバイオを抜きにして今の経済は浮上できない構造。
債券から株式への動きがようやく登場しよう」。
結論として概ねその方向で進んできたような気がする。
「大納会を挟んだ日経JASDAQ平均の年末年始連騰習性」に期待してみたいところ。
(兜町カタリスト櫻井)
