7日の日経平均株価は5営業日ぶりに大幅反落し、3万1913円(前日比593円安)と安値で引けた。朝高後は、先物主導で下げ幅を拡大した。市場では、日銀保有のETF(上場投資信託)を巡る植田総裁の発言にアルゴリズム取引が反応したとの見方や、「ロールオーバー(期近から期先への乗り換え)による影響が出たのではないか」(準大手証券)との声が聞かれた。特殊要因による下げとも言えるが、今回の大幅下落が一過性のものかを見極める必要がありそうだ。
あす8日の日経平均株価は、強弱感が対立する可能性があるだろう。
海外投資家の継続買いが期待される一方、利益確定売りへの懸念が残る。
海外投資家の買いが継続し、早期の相場修復となれば、改めて基調の強さを確認することになろう。反面、6日までほぼ一本調子で上げてきただけに高値警戒感から利益確定売りが広がるようだと調整色を一段と強めかねない。一部では、「海外投資家の根強い買いをバックにそう簡単に調整入りするとも思えない。ここからは上下に振りつつ、落ち着き所を探るのではないか」との指摘もあった。
きょうは593円安(3万1913円)となったが、5日と6日に大きく上昇しており、先週末(3万1524円)との比較ではまだ400円近いプラス。終値では5日線(3万1862円、7日時点)を上回っており、日足でもチャートが大きく崩れたわけではない。あすの値動きが9日金曜にも影響を及ぼしそうであるだけに、あす5日線を支えに踏みとどまることができるかが注目される。
なお、日経平均が派手に下げた一方で、マザーズ指数は小幅ながらプラスで終えており、年初来高値の794.36p(終値、2/9)を上回る場面もあった。もし、日経平均が持ちこたえられず調整色を強めるようなら、大型株から新興銘柄へのシフトが一気に進む可能性があるだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(7日現在)
33803.03 ボリンジャー:+3σ(13週)
33598.21 ボリンジャー:+3σ(25日)
32974.45 ボリンジャー:+3σ(26週)
32562.28 ボリンジャー:+2σ(25日)
32276.43 ボリンジャー:+2σ(13週)
31913.74 ★日経平均株価7日終値
31747.26 均衡表転換線(日足)
31699.68 6日移動平均線
31526.36 ボリンジャー:+1σ(25日)
31367.67 ボリンジャー:+2σ(26週)
31328.16 新値三本足陰転値
30749.83 ボリンジャー:+1σ(13週)
30604.02 均衡表基準線(日足)
30490.43 25日移動平均線
30152.86 均衡表転換線(週足)
29760.89 ボリンジャー:+1σ(26週)
29454.50 ボリンジャー:-1σ(25日)
29223.23 13週移動平均線
29185.21 均衡表基準線(週足)
28755.59 75日移動平均線
28418.57 ボリンジャー:-2σ(25日)
バブル後最高値からの高寄りから値を消して安値引け。ローソク足は昨日陽線の値幅が本日大陰線の胴体部分に収まる「包み足」を示現し、下落基調への転換を示唆した。25日線との乖離率は4.67%(昨日7.04%)と過熱ラインの5%を下回ったが、直近の上昇ペースが急だったため、明日以降も強い売り圧力が続くリスクに留意したい。
目次
