今週は、乱高下しながらも週間では大幅高。6月2日の米国市場では、5月雇用統計の内容が好感されたことなどから、ダウ平均が今年最大の上げ幅を記録。これを受けた週明け5日の日経平均も700円近い上昇となり、3万2000円を大きく上回った。
7日は買いが先行して3万2700円台まで水準を切り上げたが、半導体関連が軒並み崩れたことで600円近い下落となり、3万2000円を割り込んだ。
8日は高値警戒感が意識されて後場に大きく値を崩し、一時3万1500円を割り込んだ。
一方、メジャーSQ日となる9日は米国株高に強い反応を示して、600円を超える大幅上昇。3万2000円を大きく上回り、週間でも上昇を達成した。日経平均は週間では約740円の上昇となり、週足では9週連続で陽線を形成した。
来週(12-16日)の日経平均株価は、潜在的な買い余力は依然として大きいとみられ、今後も底堅さを発揮する展開が期待される。
一方、来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)を皮切りに、日米欧の各金融当局が政策決定会合を開く。特に日銀に関しては読み切れない部分もあり、不安定な値動きを招く可能性もある。
まず13、14日にFOMCが開催される。利上げのスキップ(1回見送り)か打ち止めかに関する市場の議論は、5月雇用統計の好内容を受けてスキップのほうに傾いている。
FOMCを消化するのが木曜15日で、それまでは様子見姿勢が強まるだろう。
6月会合では利上げはスキップされるとみられており、今回は株価を大きく動かすイベントにならなそう。
一方、日銀は15、16日に金融政策決定会合を開く。ここでの金融政策の変更はメーンシナリオではないが、7月会合では、YCC(=イールドカーブコントロール、長短金利操作)の対象を現在の10年国債から2年あるいは5年に年限短縮することなどを視野に入れる向きが少なくない。また、日銀をめぐっては直近、保有するETF(上場投資信託)の処分について植田新総裁が言及したことが相場の変動を招いた。市場は将来的な出口戦略に敏感になっており、植田氏の言動を注意深く見守っている。6月会合で政策を据え置いたとしても、やはり修正観測は次回に持ち越されるだろう。
結果、中央銀行絡みのニュースに振らされはするものの、強弱感が定まりづらく、週間では大きな動きが出てこないと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(9日現在)
33979.19 ボリンジャー:+3σ(13週)
33797.84 ボリンジャー:+3σ(25日)
33086.11 ボリンジャー:+3σ(26週)
32770.37 ボリンジャー:+2σ(25日)
32402.88 ボリンジャー:+2σ(13週)
32265.17 ★日経平均株価9日終値
32011.44 6日移動平均線
31747.26 均衡表転換線(日足)
31742.91 ボリンジャー:+1σ(25日)
31446.62 ボリンジャー:+2σ(26週)
31328.16 新値三本足陰転値
30826.57 ボリンジャー:+1σ(13週)
30820.17 均衡表基準線(日足)
30715.44 25日移動平均線
30152.86 均衡表転換線(週足)
29807.12 ボリンジャー:+1σ(26週)
29687.97 ボリンジャー:-1σ(25日)
29250.26 13週移動平均線
29185.21 均衡表基準線(週足)
28871.55 75日移動平均線
28660.51 ボリンジャー:-2σ(25日)
28556.73 均衡表雲上限(日足)
28167.62 26週移動平均線
5日移動平均線の上方でほぼ高値引け。ローソク足は上下ともにヒゲが短く、「陽の丸坊主」に近い形状で買い人気の強さを窺わせた。週足は9連騰と過熱感が警戒されるが、25日線乖離率は5.05%と買われ過ぎラインをわずかに上回る程度だった。株価下方を走る25日線や13週線が上昇を続けていることもあり、来週の騰勢持続を示唆する形で週末を迎えた。
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