大納会の29日午前の日経平均株価は反発が、上げ幅は限られた。午前終値は前日比57円66銭高の2万2841円64銭だった。
28日、NYダウ工業株30種平均が史上最高値を更新した。日経平均は前日の下落に対する反動もあり、取引開始直後には一時90円近く上昇した。
国内外の機関投資家が模様眺めを決め込んでいることで、年末の株価が力強く上昇する相場格言「掉尾の一振」は不発気味だ。
市場関係者は、「掉尾の一振と言うには、少なくとも終値での年初来高値(2万2939円18銭)更新が必要」と指摘。伸び悩んでいる日経平均を眺めながら、「今年は厳しい状況」としていた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で6646億円、売買高は3億9957万株にとどまった。東証1部の値上がり銘柄数は1182と、全体の約57%。値下がりは732、変わらずは147だった。
個別銘柄では、今期業績の上振れが伝わった旭硝子が高く、三菱UFJや三井住友FGなど銀行株が上げ幅を拡大。大和や野村といった証券株も上昇した。三菱商や伊藤忠も高い。
ロンドン金属取引所(LME)の銅相場が28日に、前日比49ドル高の1トン=7289ドルに上昇するなど非鉄金属市況の上昇を好感して、住友金属鉱山、DOWAホールディングス、三井金属、三菱マテリアルの非鉄株が堅調な推移。また、黒鉛電極の市況上昇と販売数量の増加を評価して東海カーボン、日本カーボンが上昇している。
一方、3~11月期の営業減益が伝わったローソンが安い。KDDIは年初来安値を更新した。楽天やOLCも下げ幅を拡大した。18年2月期第3四半期累計(17年3~11月)の連結決算での大幅な営業減益が嫌気されたアダストリアは急落。このほかに信越化学工業、オプトラン、ジーンズメイト、ローソンが売られている。
東証2部株価指数は前日比43.53ポイント高の7268.63ポイントと3日続伸した。
値上がり銘柄数は261、値下がり銘柄数は170となった。
個別では、三井金属エンジニアリング、弘電社、マックスバリュ東北、エスビー食品など18銘柄が年初来高値を更新。宮入バルブ製作所、省電舎ホールディングス、カーチスホールディングス、富士通コンポーネントが買われた。
一方、価値開発、小島鉄工所、エムジーホーム、ラオックス、インタートレードが売られた。
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