27日午前の日経平均株価は前日比37円68銭高の2万7692円89銭、東証株価指数(TOPIX)は0.92ポイント高の1944.09と、ともに小幅高で午前の取引を終えた。
前日の米株安を受けて朝方はリスク回避の売り圧力が強く、日経平均は下値を探る展開となっていたが、その後は半導体関連株などが買われプラス圏に切り返した。
外国為替市場で1ドル=137円台まで円安に振れていることや、米株価指数先物が高くなり、特にハイテク株比率の高いナスダック100の上昇が目立っていることで、東京株式市場でも主力ハイテク株などに追い風となっている。ただ、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が大幅に上回っている。
値がさの半導体関連銘柄や医薬品株を中心に買いが入り、指数を押し上げた。朝方は世界景気の悪化への警戒から売りが先行していたが、次第に下げ幅を縮めた。
米主力ハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物が日本時間27日午前の取引で堅調に推移し、東エレクやアドテストといった半導体関連の買いにつながった。グロース(成長)株の一部が買い直されたことも支えとなった。
国内では、主要企業の決算発表が本格化している。「原材料高の価格転嫁が確認でき、円安による収益の押し上げ効果があり、決算に対する過度な警戒は和らいでいるのではないか」との見方があった。医薬品や日用品などのディフェンシブ株や鉄道など内需関連にも物色が向かった。
国際通貨基金(IMF)が26日に2022年の世界の実質成長率見通しを引き下げたことも重荷となった。主要企業の決算発表など重要イベントを前に買いを手控えるムードも重なり、下げ幅は一時130円を超えた。
市場からは「FOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、一方的にポジションを傾けづらいが、全体的には底堅い。今回のFOMCでは想定内の0.75%の利上げを決めるとみられ、9月に向けた金利見通しが極端なタカ派でなければ、相場も底入れ機運が出てくる可能性がある」との声が聞かれた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1684億円、売買高は4億3521万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は631と、全体の約34%にとどまった。値下がりは1105、変わらずは102だった。
業種別株価指数(33業種)は陸運業、医薬品などが上昇した。下落は水産・農林業、輸送用機器、パルプ・紙、証券・商品先物取引業など。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置の主力銘柄が高く、日本郵船も買いが優勢。日本電産、村田製、TDKが買われ、花王、キッコマン、アステラス、テルモも値上がりした。ルネサスエレクトロニクスも上昇した。ファイズホールディングスが急伸、タムロンも値を飛ばした。
半面、ダブル・スコープが急落、ファーストリテイリングも値を下げた。シマノ、トプコンなどの下げも目立つ。マキタは大幅安となった。ダイキン、キヤノン、ホンダも売られた。
