20日午前の日経平均株価は小幅に続落し、前引けは前日比13円99銭安の2万8030円46銭だった。相場の先行きに対する強弱感が対立するなかで売り買いが交錯し、前日終値を挟んでの不安定な値動きが続いた。
きょう前場の東京株式市場は、前日の欧州株市場が総じて安く、米国株市場でもNYダウが160ドルあまりの下げで3日続落と下値模索の動きが続いていることから、リスク回避の売りが先行した。ビットコインなど仮想通貨の価格下落が顕著で市場のセンチメントを悪化させている。株安を受けた売りが先行し、下げ幅は200円を超える場面があった。
ただ、日経平均が2万8000円台を割り込んだ水準では押し目買いが厚く、寄り付き時点がほぼ安値圏でその直後から急速に下げ渋る展開となった。取引開始15分あまりでプラス圏に浮上した。しかし、上値も重くその後は強弱感が対立し前日比プラス圏とマイナス圏の往来となっている。
朝方に発表された4月の貿易統計速報では、貿易収支が2553億円の黒字と、市場予想を上回った。外需の強さを確認できたとの見方があった。一方、3月の機械受注統計では、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が市場予想を下回ったが、相場全体への売りの波及は限定的だった。
新型コロナウイルスのワクチン接種がほかの主要国に比べ遅れており、海外投資家が日本株の積極的な買いを手控えているとの見方もあった。「明確な投資テーマに乏しい中、短期で売買する個人投資家が値上がりした銘柄に利益確定の売りを出しやすい地合いにある」との見方があった。
JPX日経インデックス400は小幅に続落。東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆681億円、売買高は4億9173万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は553と全体の約25%にとどまった。値上がりは1547、変わらずは92銘柄だった。
個別では、東京エレクトロン、レーザーテックなど半導体関連が高く、富士通も買いを集めた。村田製作所も堅調。岩崎電気が大幅高となり、キューブシステムも商いを伴い値を飛ばした。アドウェイズが活況高、Robot Home、アドテストが上昇した。クレセゾンも高かった。
半面、ファーストリテイリングが売りに押され、日本製鉄、東京製鐵は大幅安。住友金属鉱山の下げも目立つ。東京海上ホールディングスも安い。ANAホールディングスも値を下げた。ファストリ、KDDI、ネクソンも下がった。
東証2部株価指数は前日比29.64ポイント高の7353.01ポイントと反発した。
値上がり銘柄数は227、値下がり銘柄数は151となった。
個別では北海道コカ・コーラボトリング、ジー・スリーホールディングス、東京インキ、ベルテクスコーポレーション、サンユウなど13銘柄が年初来高値を更新。TBグループ、アルメディオ、IJTT、テラプローブ、ゼロが買われた。
一方、川本産業、日本精鉱、タクミナ、広島電鉄、リンコーコーポレーションが年初来安値を更新。東洋刃物、ケー・エフ・シー、明治機械、ユーピーアール、エヌリンクスが売られた。
