6日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比34ドル54セント(0.10%)高の3万4095ドル86セントで終えた。9月20日以来の高値。
この日は米経済指標などの発表がなく、市場では様子見姿勢が広がり上値は限定的だった。ダウの上げ幅は先週5日間で1600ドル超に拡大。買いが膨らんだことに伴う利益確定などの売りが出て、マイナス圏に沈む場面もあったが、引けにかけて持ち直した。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が後退し、株式相場を支えた。半面、前週に大幅に上昇した反動で主力銘柄の一部には利益確定の売りも出やすく、指数の上値は重かった。
FRBは先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げを見送った。3日発表の10月の米雇用統計が労働需給の緩和を示すなど、米経済の減速を示す指標の発表が相次ぐ。市場の一部にはFRBの利上げ局面が終了したとの見方があり、株買いが継続した。
ただ、ダウ平均の上値は重く、下げに転じる場面も目立った。
前週末にかけて低下基調を強めていた米長期金利は6日に4.6%台後半に上昇(前週末終値は4.57%)。株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷だった。
スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが上昇したほか、バイオ製薬のアムジェンや金融のJPモルガン・チェースへの買いも目立った。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは下げた。
ナスダック総合株価指数は7日続伸し、前週末比40.496ポイント(0.30%)高の1万3518.779で終えた。ナスダック指数が7日続伸するのは、2023年1月以来。アナリストが業績上振れへの期待を示した半導体のエヌビディアが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比135円安の3万2600円で引けた。
新規材料が乏しい中、この日は米株式相場の上値の重さが目立ち、これまで大きく上昇していた日経平均先物は利益確定を目的とした売りに押された。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32600 ( -70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32610 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7317.76(+0.03)
6日のFTSE100種総合株価指数は前週末比0.03ポイント高の7417.76と横ばい圏で終えた。HSBCホールディングスやスタンダードチャータードといった銀行株のほか、エネルギー株の上昇が支えとなった。半面、前週に長期金利の低下傾向を受けて株価水準を切り上げていた不動産株や不動産投資信託(REIT)、公益事業の関連銘柄が下げ、指数の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが3.51%高、金融大手スタンダード・チャータードが2.07%高、賭け屋大手エンテインが1.61%高だった。
一方、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは4.25%安、物流施設大手セグロは3.27%安、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは3.18%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15135.97(-53.28)
6日のドイツ株価指数(DAX)は6営業日ぶりに反落し、前週末比53.28ポイント(0.35%)安の1万5135.97で終えた。前週末まで上昇が続いていたため、幅広い業種の銘柄で持ち高調整や目先の利益を確定する目的の売りが出た。
個別では、金利の低下基調を支えに前週末まで7日続伸していた不動産大手ボノビアが5.43%安、医療機器のザルトリウスが2.06%安、香料大手シムライズが1.97%安だった。
半面、総合電機大手シーメンスは0.92%高、スポーツ用品大手アディダスは0.89%高、防衛大手ラインメタルは0.74%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7013.73(-33.77)
フランスCAC40種指数は0.48%安だった。
前週の大幅上昇を受け、この日は利益確定の売りが優勢となった。とりわけ金利低下を好感して買われていた不動産株が下げを主導した。
