小幅続伸23円高、米中摩擦緩和期待が支え

1日午前の日経平均株価は続伸した。午前終値は前日比23円75銭高の2万0797円24銭だった。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化を急がない姿勢を示したのを支えに、1月31日の米国市場で主要ハイテク株が上昇した。このため1日の東京株式市場でも関連銘柄に買いが先行した。
 
ただ、外国為替市場では1ドル=108円台後半で推移するなど、米金利低下を背景としたドル安・円高の動きを警戒、前場後半に値を消し、一時前日終値を下回る場面もあった。
1月の財新中国製造業PMI(購買担当者景気指数)の悪化が伝えられ、相場の重しとなった。その後持ち直したが、戻りは限定された。
 
米国と中国の貿易協議は、ホワイトハウスが声明で「進展があった一方で、多くの課題も残されている」と指摘。それを踏まえ、両国首脳による会談が開かれる見通しとなった。
 
市場関係者は、「交渉決裂という最悪の事態にはならなかった。緩和ムードが継続している」との受け止めが多く、下値不安感は後退している状況だ。
中国の景況感の悪化が確認されるなど景気動向や企業業績の先行きは依然として不透明。積極的に上値を追う買いも入りにくいため、「日経平均が戻りを試す勢いはない」との声も上がっていた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに小反落した。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2813億円、売買高は7億2131万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は906、値下がりは1138、変わらずは79だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は、精密機器、医薬品、電気機器が上昇し、下落は、その他製品、海運業、証券・商品先物取引業など。
 
個別では、村田製作所は商いを大きく膨らませ大幅高となったほか、ファナックも堅調、アンリツは前日に続く急伸。キーエンス、資生堂も高い。アステラス、第一三共の上昇が目立った。アイビーシーが一時ストップ高に買われ、保土谷化学工業も一時ストップ高寸前まで買われる場面があった。LINEも物色人気となった。
 
半面、任天堂が急落、ZOZOも大幅安。コマツ、野村の下げが大きかった。東京エレクトロン、コマツが軟調。メガチップスがストップ安に売り込まれ、アカツキも値幅制限いっぱいまで値を下げる場面があった。味の素、日立金属なども大きく下落した。
 
東証2部株価指数は前日比6.36ポイント安の6670.09ポイントと反落した。
出来高4020万株。値上がり銘柄数は188、値下がり銘柄数は206となった。
 
個別では、ロックペイント、テクノアソシエが昨年来安値を更新。アイケイ、RVH、デュアルタップ、東亜石油、東京衡機が売られた。
 
一方、弘電社がストップ高。NCS&Aは一時ストップ高と値を飛ばした。インスペックなど2銘柄は昨年来高値を更新。図研エルミック、理経、兼松エンジニアリング、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、大興電子通信が買われた。
 

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