17日午前の日経平均株価は小幅に続伸した。前日比25円12銭高の2万9946円21銭で終えた。
前場の東京株式市場は、売り買い交錯のなか日経平均は小幅プラス圏で着地した。
前日のNYダウが8日ぶりに下げるなど上昇一服となったことを受け、上値の重い展開を強いられた。日経平均は前日までに6日続伸して1200円近く上昇し節目の3万円に接近していたこともあり、朝方は下落して始まった。程なく上昇に転じたが、日米の中銀会合を控えて持ち高を傾けにくく、2万9900円台での小動きが続いた。
FOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見の内容を見極めたいとの思惑が様子見ムードにつながっている。ただ、半導体関連の一角が買い戻されたほか、中小型の材料株物色意欲は旺盛で下値抵抗力も発揮している。
市場関係者は「長期金利上昇に対するパウエルFRB議長のけん制発言が飛び出すのではないか、との期待感がある」と指摘。直近の相場で金利上昇を嫌気して下落した銘柄が買い直されたとみていた。
「上昇局面で先行して上げてきた半導体株やハイテク関連株に資金が戻り始めており、相場つきは悪くない。ただ、新規の買い材料に乏しいうえ、国内の期末が近づき上値を追う感じは薄い」との声もあった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2420億円、売買高は6億4122万株と商いは閑散。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも小幅に反落した。東証1部の値上がり銘柄数は960。値下がりは1103銘柄、変わらずは132銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では化学、電気機器、不動産業の上昇が目立った。下落は空運業、鉱業、鉄鋼など。
個別銘柄では、東エレクやアドテスト、信越化など半導体関連株が上昇。オムロン、TDK、日東電、レーザーテック、キーエンスも高かった。武田が続伸。パーク24、菱地所、ファーストリテ、三菱UFJが買われた。
半面、楽天、日本製鉄、国際帝石、鹿島、JAL、ANAHDが安かった。柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の監視装置が故障していたと伝わった東電HDは9%安で前場を終えた。ソフトバンクG、ZHD、任天堂、トヨタも売られた。
東証2部株価指数は前日比15.89ポイント高の7537.43ポイントと7日続伸した。
出来高1億6887万株。値上がり銘柄数は238、値下がり銘柄数は146となった。
個別では、杉村倉庫、大運が一時ストップ高と値を飛ばした。日和産業、あじかん、ケミプロ化成、メタルアート、ヒラノテクシードなど14銘柄は昨年来高値を更新。玉井商船、瑞光、内海造船、アライドテレシスホールディングス、テクノスマートが買われた。
一方、ぷらっとホーム、ユニバンス、アトム、千代田化工建設、アジア航測が売られた。
