小幅続伸、押し目買いが支える

 
1日午前の日経平均株価は続伸し、前日比1円35銭(0.00%)高の2万7446円91銭で終えた。中国の景況感の改善を好感した買いが入り、相場を支えた。もっとも米金融引き締めが長引くとの見方は重荷となり、方向感は限られた。
 
きょう前場は売り買い交錯のなか方向感の定まらない展開となった。前日の米国株市場では米長期金利の上昇などを嫌気して、NYダウが200ドル超の下落をみせたことで、東京株式市場も朝方は売り優勢のスタートとなった。グロース(成長)株の一角に売りが出た。今年に入り大きく上昇していた郵船や商船三井などの海運株が軒並み下落したのも重荷だった。日経平均株価は一時140円程度下げる場面があったが、その後は押し目買いが入り前場取引後半は戻り足に転じ、引け際にプラス転換している。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗しているが、やや値下がりの方が多い状況。TOPIXは小安く引けている。
 
中国国家統計局が1日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を大幅に上回り、景気の先行き懸念が後退した。上海などアジアの主要な株式相場が上昇し、東京市場でも日本製鉄や安川電など中国関連株に買いが入った。
 
前日に決算を発表した米コンピューター・IT企業のHP(ヒューレット・パッカード)は足元で落ち込んでいるパソコン(PC)需要が年内には持ち直す可能性があると強気な見通しを示した。先行きに楽観的になるには依然として材料不足とはいえ、大幅な落ち込みが続いてきたPC業界の在庫調整の進展が一巡してきたとすれば、メモリ向けを中心に厳しい需要減に見舞われてきた半導体関連企業には朗報だ。年後半からの市況回復を見越して年始から株価上昇が続いてきた半導体関連株にとっては裏付け材料となるだろう。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比1.93ポイント(0.10%)安の1991.35だった。銀行株安が重荷となった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3917億円、売買高は5億5674万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は853。値下がりは895、変わらずは85銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、非鉄金属などが上昇した。下落は海運業、医薬品、電気・ガス業、小売業など。
 
個別では、コマツや日立建機が買われた。東京エレクトロン、アドバンテストも上昇した。SMCが値を飛ばし、三菱商事と三井物も高い。味の素が異彩を放つ大幅高。このほか、カナデンが急騰、タツモ、Appier Groupなども大きく水準を切り上げた。
 
半面、レーザーテックが売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも軟調。任天堂も冴えない。リクルートホールディングスも安い。アイ・エス・ビー、ラクーンホールディングスが大幅安、ツルハホールディングスも大きく値を下げている。第一三共、中外薬、カシオも安い。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次