31日午前の日経平均株価は小幅に続落し、前日比49円27銭(0.18%)安の2万7977円98銭で終えた。
前日の欧米株市場が総じて軟調だったことを受け、リスク回避の売りが優勢となった。ただ、朝方に日経平均は200円程度安く寄り付いた後、一時260円強下落する場面もあったが、その後は押し目買いが入り下げ渋る動きをみせた。
前場取引中盤に、バイデン米政権がエネルギー価格高騰に対応して数カ月にわたる石油備蓄放出の計画を検討していることが米メディアを通じて伝わり、原油先物価格の急落を横目に全体相場は買い戻される流れとなった。一時はプラス圏に浮上する場面もあったが続かず、前引けは小幅マイナス圏で着地している。
「足元の円安基調で輸出関連銘柄を中心に企業収益の押し上げ効果が期待されている。さらに米国の石油備蓄放出が報道の通りなら原油相場の下落につながり、コストが抑制されて業績の上振れ期待が一段と高まる」と指摘していた。
もっとも、日経平均は3月中旬からの相場上昇で2月末終値に比べて1500円ほど高い水準にある。2万8000円を超える水準では戻り待ちの売りや利益確定の売りも出た。
市場では「戻り待ちの売りで上値が重いなか、押し目を拾う動きもみられるなど、方向感に乏しいが2万8000円前後での値固めの展開となりそう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3278億円、売買高は5億4692万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1503と、全体の約7割を占めた。値上がりは595、変わらずは71だった。
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、その他製品、サービス業などが下落。上昇は海運業、パルプ・紙、輸送用機器など。
個別では、売買代金トップのレーザーテックがやや売りに押されたほか、リクルートが大幅安だった。任天堂、野村も安い。三井ハイテックは売り買い交錯もやや利食い優勢となっているほか、MonotaROが大きく売られた。マルマエが急落した。INPEX、出光興産が売られた。
半面、日本郵船、商船三井など海運株が買われ、東京エレクトロン、キーエンスなども値を上げた。オリエンタルランドも堅調。ERIホールディングスが一時ストップ高に買われたほか、前日まで2日連続ストップ高に買われていたピアラも大幅続伸。日本電波工業も急騰した。
東証2部株価指数は前日比5.40ポイント高の7234.60ポイントと反発した。出来高は4445万株。値上がり銘柄数は186、値下がり銘柄数は174となった。
31日に東証2部市場に新規上場したノバックは9時21分に公開価格(3000円)を下回る2630円で初値を付けた。前引けは初値比100円(3.8%)安の2530円だった。
個別ではナガホリがストップ高。サンコーテクノ、タカトリ、ノダは昨年来高値を更新。エヌリンクス、川本産業、Abalance、瑞光、川崎近海汽船が買われた。
一方、西川ゴム工業、アオイ電子、京葉瓦斯、日建工学、旭情報サービスが昨年来安値を更新。FDK、ユーピーアール、クシム、オプティマスグループ、リミックスポイントが売られた。
