小幅反落36ドル安、ナスダックは高い

21日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比36ドル97セント(0.1%)安の3万4463ドル69セントで終えた。7月中旬以来の安値。

24~26日にジャクソンホール会議を控える中、市場では先週から米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを後ろ倒しする可能性が懸念されている。これを受けて長期金利が上昇し、株価を下押しした。
一方、先週の大幅な下落を受けハイテク株を中心に買い戻す動きも活発になり、下げ幅は限られた。ナスダックは、今週決算を控えるエヌビディアなどの上昇がけん引し、反発した。

米長期金利は一時15年9カ月ぶりの高水準を付けた。米長期金利は一時、前週末比0.10%高い(債券価格は安い)4.35%と、2007年11月以来の水準に上昇した。FRBが政策金利を長期にわたって高く維持するとの警戒感が根強い。

FRBのパウエル議長はカンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、25日に講演を控えている。内容を見極めたい雰囲気が強く、買いを手控える投資家が多かった。ダウ平均の下げ幅は250ドルを超える場面があった。

ダウ平均は売り一巡後は下げ渋り、上昇する場面もあった。前週のダウ平均は780ドル安と、週間での下げ幅は3月以来の大きさとなった。21日の市場では「ハイテク株を中心に売られすぎとの見方からテクニカルな買いが入った」との声が聞かれた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、前週末に発表した決算で1株利益などが市場予想を上回った情報セキュリティーのパロアルト・ネットワークスが15%高となった。23日に決算発表を控えるなか、アナリストによる目標株価の引き上げが相次いでいる画像処理半導体のエヌビディアが8%上昇したことも、他のハイテク株への押し目買いを誘ったとの見方があった。

個別銘柄では医療品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やスポーツ用品のナイキ、ホームセンターのホーム・デポが安い。半面、ハイテク株は買われ、顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトが2%高となった。

ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前週末比206.814ポイント(1.6%)高の1万3497.590で終えた。前週末に6月上旬以来の安値を付け、主力株に押し目買いが入りやすかった。エヌビディアのほか、半導体関連株への買いが目立った。電気自動車のテスラは7%高となった。交流サイトのメタプラットフォームズやネット通販のアマゾン・ドット・コムも買われた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比340円高の3万1800円で引けた。同日の米株式市場では米利上げの長期化に対する懸念が広がる中を小幅反落した。
ナスダック総合株価指数が5営業日ぶりに反発するなどハイテク株が堅調に推移した。投資家心理は改善するとの見方から日経平均先物にも買いが優勢だった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31800( +300 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31810 ( +310 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7257.82(-4.61)

21日のFTSE100種総合株価指数は小幅に7日続落した。前週末に比べ4.61ポイント(0.06%)安の7257.82と、7月7日以来およそ1カ月半ぶりの安値で取引を終えた。中国景気や同国不動産市況の不透明感が重荷となり、金融や消費関連銘柄に売りが出た。一方、原油先物相場の下落一服でエネルギーセクターが買い直され、指数を下支えした。

FTSEの構成銘柄では、住宅大手テイラー・ウィンペイが4.26%安と最も大きく売られ、同業パーシモンが3.82%安、オンライン食品販売大手オカド・グループが3.50%安で続いた。
一方、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.21%高、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは1.13%高、産銅大手アントファガスタは1.05%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15603.28(+29.02)

21日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。前週末に比べ29.02ポイント(0.19%)高の1万5603.28で取引を終えた。前週に週間で1.6%ほど下落していた後で、値ごろ感の出た銘柄に押し目買いが入った。半面、中国の景気懸念が重荷となり上値は限られた。前週末に売られていた自動車や資本財、テクノロジーセクターが買い直された。

個別では、資産売却を伴う事業再編に関する報道を受けて自動車部品大手コンチネンタルが5.87%高と急伸。航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.54%高、コメルツ銀行も1.49%高と買われた。
半面、不動産大手ボノビアは2.61%安、医療機器のザルトリウスは1.81%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.75%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7198.06(+33.95)

フランスCAC40種指数は0.47%高だった。
米国やユーロ圏などの金利が高止まりするとの懸念は根強く、上値を追う動きは限られた。

 

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