30日午前の日経平均株価は小幅に反落し、前日比21円80銭安の2万2575円40銭で前場を終えた。
手掛かり材料の乏しいなか方向感を欠く展開で前日終値を挟んでの往来となった。
ハイテク株安・銀行株高が鮮明となった29日の米株市場の流れを引き継いだ。朝方発表の10月の鉱工業生産指数で「電子部品・デバイス工業」の生産指数が前月比で低下したことで、東エレクなど半導体関連銘柄をはじめ、ハイテク株の下落が指数を押し下げた。
一方、金融や鉄鋼、海運、小売りといった業種は買われた。「個人の待機資金が積み上がっており、下落局面では出遅れ感のある銘柄に買いが入りやすい」との声があった。
日本時間10時に発表された11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り、これを好感した買いで日経平均は上昇に転じる場面もあった。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆7873億円、売買高は10億4387万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1145、値上がりは805、変わらずは87銘柄だった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は下落した。
個別では、キーエンスや日電産、東京エレクトロン、ソニーが安い。スマートフォン(スマホ)向けゲームの収益貢献期待が後退した任天堂が3%を超える下げとなった。SMCやダイキン、信越化が下落した。安川電機、アルバックの下げも目立った。
一方、テーマパークへの大型投資が伝わったOLCが上昇し、年初来高値を付けた。三菱UFJなどメガバンクが堅調、SOMPOが高い。新日鉄住金やファストリ、商船三井も買われた。日清紡ホールディングスは大幅高となった。冨士ダイス、日東精工も値を飛ばした。
東証2部株価指数は前日比45.29ポイント安の6791.70ポイントと反落。
値上がり銘柄数は147、値下がり銘柄数は277となった。
個別では、大運が年初来安値を更新。ネポン、アサヒ衛陶、日本抵抗器製作所、ソマール、が売られた。
一方、正興電機製作所がストップ高。ベリテ、日本坩堝、三精テクノロジーズ、大和重工、トリニティ工業が買われた。
