30日午前の日経平均株価は小幅に反発し、前日比2円49銭高の2万8815円10銭で終えた。
きょう前場は米国株市場でのナスダック指数最高値などを引き継ぎ朝方はリスクを取る動きが優勢となり、日経平均は反発して始まったが、2万9000円近辺では売り圧力が強く、その後は値を消す展開を強いられた。
米ハイテク株との連動性が高いソフトバンクグループ(SBG)の上昇も指数を下支えした。
前場取引終盤に前日終値を小幅ながら下回る場面もあった。東京など新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあり、経済活動の正常化に対する期待が後退している。新型コロナの変異株であるデルタ株の感染が広がっていることにも警戒感が強いようだ。
中国国家統計局と中国物流購入連合会(CFLP)が発表した6月の製造業PMIは前月から0.1ポイント低下し50.9だった。非製造業PMIは53.5と、1.7ポイント低下した。新規の取引材料が少ないなかで、持ち高調整の売りを誘った。日経平均が月末の最終営業日に下げることが多いことも売り材料として意識され、日経平均は下落に転じる場面があった。
心理的な節目となる2万9000円を前に主力銘柄には戻り待ちや利益確定の売りも出やすく、伸び悩んだ。
新型コロナのワクチン接種については、政府が企業などの職場接種の新規受け付けを当面停止する見通しと伝わった。「国内の接種者数の伸びにブレーキがかかるとの懸念が売り材料となっている」との見方があった。
JPX日経インデックス400は小幅に続落した。一方、東証株価指数(TOPIX)は反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆455億円、売買高は4億3098万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1033、値下がりは1027、変わらずは126だった。
業種別株価指数(33業種)は、ゴム製品、金属製品、情報・通信業などが上昇。下落は、空運業、小売業、鉄鋼など。
個別では、エムスリーや中外製薬が上昇した。ベイカレント・コンサルティングも高い。太陽誘電やスクリン、村田製作所、日本電産なども値を上げた。アトラグループが大幅高、ウシオ電機、リンクアンドモチベーションも買われた。
半面、コマツは年初来安値を付けた。レーザーテックが朝高後に買いが続かず下値模索となったほか、ソニーグループも軟調。エーザイやJフロント、日野自も下落した。ファーストリテイリングも売りに押された。スギホールディングス、クスリのアオキホールディングス、ディー・エル・イー大きく値を下げた。
東証2部株価指数は前日比17.73ポイント安の7671.63ポイントと続落した。
出来高は1億4661万株。値上がり銘柄数は154、値下がり銘柄数は215となった。
個別ではポラリス・ホールディングス、オーケーエム、アルチザネットワークス、FDK、ユーピーアールが年初来安値を更新。築地魚市場、東京コスモス電機、アートスパークホールディングス、リミックスポイント、パスが売られた。
一方、ラオックスが一時ストップ高と値を飛ばした。セイヒョー、カワサキ、トラスト、フジマック、ササクラなど11銘柄は年初来高値を更新。日本坩堝、セントラル総合開発、英和、ビケンテクノ、バイク王&カンパニーが買われた。
