15日午前の日経平均株価は小幅に反発した。前日比31円21銭(0.11%)高の2万7994円68銭で終えた。
前週末まで急騰していた米国株が利益確定売りなどで下げた流れを受け、日本株は売りが先行した。もっとも、米利上げペースの鈍化期待は根強く下値は限られた。製薬株の一角や決算発表を受けた金融株への買いが支えとなりプラス圏で前場を終えた。
朝方発表された国内の7~9月期の国内総生産GDP速報値も事前コンセンサスに反し前期比マイナスとなったことから、買い手控えムードにつながった。ただ、日経平均の下値では押し目買いニーズも観測され、その後は方向感が定まらない中も底堅い動きとなり、結局プラス圏を維持して引けている。
新型コロナウイルス関連の材料が出た第一三共や塩野義を中心に製薬株が買われた。三井住友FGは前日に今期の連結純利益予想の上方修正や自社株買いなどを発表して4%超高となったほか、決算を発表したその他の大型銀行株、保険株も堅調なものが目立った。
個別株は大きく動くものもあったが、日経平均の前場の値幅は約100円と小幅な値動きにとどまった。市場では「市場参加者の心理の振れに合わせて米国株は上下に大きく動く展開が続いており、日本株もその影響を受けざるを得ない。うかつに取引できない」との声が出ていた。
本日の東京株式市場は決算を受けた個別株物色を除けば全般もみ合い、こう着感の強い展開となっている。日経平均は心理的な節目の2万8000円を割れてはいるものの、75日移動平均線上を優に上回った状態を続けていて、ほぼ横ばいの5日線上をも維持している。
今晩の米国市場でのPPIの結果と反応を見極めたいとの思惑から、後場の東京株式市場は模様眺めのムードが支配的になりそうだ。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6907億円、売買高は6億4599万株だった。東証株価指数(TOPIX)も反発した。東証プライムの値上がり銘柄数は1112。値下がりは640銘柄、変わらずは82銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は銀行業、医薬品、鉄鋼、非鉄金属などが上昇した。下落はサービス業、機械など。
個別では、きょうも群を抜く売買代金をこなしているレーザーテックが1300円の上昇をみせたほか、前日急落したソフトバンクグループも買いが優勢となっている。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクもしっかり。エーザイが大幅高に買われた。KPPグループホールディングス、新田ゼラチンは買いが集中しストップ高だった。フジクラ、大平金、三菱自、任天堂、セブン&アイも買われた。
半面、リクルートホールディングスが大幅安、電通グループ、SMCも大きく値を下げた。東邦チタニウムの下げも目立つ。ギフティが急落、アルヒ、エムアップホールディングスなども大幅安に売り込まれた。
